猫にも様々な性格の子がいます。
人見知り猫、人懐こい猫、独立型猫などなど…言い出したらキリがありませんが、一般的に猫は警戒心の強い動物です。
しかしそんな猫でも、接しているうちに心を開く瞬間がやってきます。
猫が人に対して癒しを感じ、心許す仕草とはいったいどんな仕草でしょうか。
猫が信頼している人にだけ見せるサインを読み取る方法と、猫に心を開いてもらう方法をご紹介します。
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猫が癒しを感じて心許している9つの仕草
猫が人に心を開いたとき、癒しを感じて心を許している9つの仕草をします。
以下の9つの仕草が見られたら、猫が信頼しているというサインです。
- スリスリする
- お腹を見せる
- お尻を向けてくる
- 視界に入ってくる
- 舐めてくる
- じっとこちらを見てくる
- 何かを訴えてくる
- 邪魔してくる
- ふみふみする
スリスリする
猫は癒しを感じ心を許している相手には、スリスリします。
野良猫などに近づこうとしたら、猫が逃げてしまった経験がある方は多いと思いますが、外にいるような猫は近づこうとすると警戒して逃げてしまう事が多いです。
しかし、飼い猫の場合は、足元でスリスリしてきますよね。
スリスリするためには、相手にかなり接近する必要があるわけですから、心を許していなければできない行動というわけです。
お腹を見せる
猫がお腹を見せる事はほとんどありません。
お腹は、猫にとっては急所であるため、このお腹を堂々と公開している場合は相当信頼している証と言えるでしょう。
お腹は内臓が詰まっている上に骨がなく、ガブリと噛まれたら命を落とす危険性さえある場所です。
よほど「お腹を見せても大丈夫」という自信のある猫でない限り、信頼できない相手の前でお腹を公開する事は絶対にないのです。
お尻を向けてくる
猫は、信頼している人のそばに座るときにお尻を向けてくることがあります。
これは、自分では見えない背中を人に守って欲しいという意思の表れで、信頼のサインです。
背中を守って!と猫に頼られているので、その信頼を裏切らないよう、もし猫に何かがあった時は死守してあげましょう。
視界に入ってくる
猫は心を許している人がそばにいても、少し遠くの視界に入ってきます。
あなたも、気が付いたら猫が視界に入ってきていたという経験がありませんか。
素直に感情を表す猫の場合は、飼い主さんにべったりとくっついてすぐそばにいつもいる子が多いです。
しかし、ツンデレな猫の場合は、飼い主さんと少し距離を置いてそっと視界に入ってくる子が多いんです。
その距離感に、「一体何がしたいんだろう、、、」と悩む飼い主さんも多いと思いますが、このようなとき猫は信頼できる人の側で安心しているというサインです。
猫が側によって来てくれるのは、とても喜ばしい事なんですね。
舐めてくる
猫がよく毛づくろいをしているのを見かけると思いますが、実は心を開いた相手にもべろんべろんと舐めて毛づくろいしてくることがあります。
人には猫のような被毛がないので、全力でやられるとざらざらとした舌なのでけっこう痛いです。
猫が信頼している証なので、我慢する人もいるようですが、それとなく避けても問題はありません。
じっとこちらを見てくる
猫がたまに、じっとこちらを見つめてくる、視線を感じるという経験をしたことがあるでしょう。
猫がじっと見つめる理由は、やはり気になっていてじっと観察しています。もしくは、見守っているというような感覚かもしれません。
猫がじっとこちらを見ている場合は、信頼している証と言えます。
しかし、もし猫が警戒心に満ちた目でこちらを見ていたら、ちょっと違う意味合いになってきます。
猫の温かい視線を感じたのであれば、心を許し癒しを感じているサインです。
猫の方を見て、ゆっくりと瞬きを返してくれたらそれは、愛情表現の証といえます。
何かを訴えてくる
猫は、何か要求があるとき、何かを訴えてくるような上目遣いでこちらを見てきます。
例えば「遊んでほしい」「撫でてほしい」「ごはんがほしい」などの欲求があるとき、側にじっとすわって見つめていたり、にゃ~と鳴いて訴えてくるでしょう。
猫は心を開いていない相手に何かを訴えるという事はありません。
なので、もし何かを訴えられているのであればそれは信頼の証ですよ。
邪魔してくる
人が何かをしているとき、猫はその作業の邪魔をしてくることがあります。
よくあるのは、パソコンを使っていたらキーボードに思いっきり乗ってきたり、雑誌を広げていたらそこで寝っころがってしまうパターンです。
猫は心を許している人にこのような邪魔する行動をとる事があります。
この時の猫の心理は、いたずらをしたいわけではなく、構ってほしいのです。
自分が一番じゃないと納得いかない、飼い主に振り向いてほしいという、猫らしい可愛い行動ですね。
ふみふみする
猫が人のお腹や布団などで前足でふみふみをするのは、子猫の頃を思い出している行為です。
赤ちゃん返りをしている状態で、親に甘えたいという気持ちが分かる行動ですね。
心を開いている人の側でふみふみをして、安心しているのです。
猫に心を開いてもらうには?
猫と仲良くなりたい、猫に心を開いてほしい…という思いがあっても、警戒心が強い猫ちゃんや、怖がりな猫ちゃんはなかなか心を開いてくれません。
そんなときには、どうしたら良いのでしょうか。
ここからは猫と仲良くなる、少し距離を縮めるためのポイントを解説します。
- 猫に主導権を持たせる
- 猫の鼻先に指先を近づけて挨拶する
- 一番好きな場所を探して撫でてあげる
- 嫌われていると感じたら距離を置く
- 食べさせずぎない
- たくさん遊んであげる
- 屋内で飼う
- 子猫のときに社会性を育む
- 猫の個性や相性を考慮する
- 常に猫の行動を注意深く観察する
猫に主導権を持たせる
猫を見ると可愛くてついつい、構ってしまいたくなりますが、猫に心を開いてもらうには猫から行動を起こしてもらう事が大切です。
不思議な事に、人間が猫に一切構わずにいると、たいていは猫の方から近づいてきます。
しかし、人間が猫に近づこうとすると、猫は警戒してしまい近づいてこなくなってしまいます。
猫が猫アレルギーの人に近づく傾向にあるのは、猫アレルギーの人は猫に近づこうとしないからだと言えるのです。
科学的研究結果においても、猫が自分で近づき、自分でいつ終えるか決めた場合の方が、人との関係性が良好になる事が分かっています。
猫は気まぐれで、ツンデレと言われるように、猫の自由にしてあげて放っておくと、猫から近づいてくるかもしれません。
猫の鼻先に指先を近づけて挨拶する
猫は、仲の良い猫と挨拶するとき、鼻と鼻をくっつけて挨拶します。
なので、人間も指先を猫の鼻の数ミリ前に向けて、挨拶をしてみましょう。
上から突き刺すように指を向けるのではなく、猫に合わせて腰をかがめ、静かに手を伸ばします。
指を差し出すと、多くの猫はこちらに寄ってきて、差し出された指の匂いをクンクンと嗅ぐでしょう。
中には、顔をこすりつけてくる猫ちゃんもいるかもしれません。
そうしたらもう、挨拶はばっちり完了したことになります。
一番好きな場所を探して撫でてあげる
猫は触れる事に敏感で、撫でられる場所にも好きな場所と嫌な場所があります。
特に額やのどを撫でられるのが好きな猫が多く、撫でるとゴロゴロとのどを鳴らしたり、前足をこすり合わせたりして喜びます。
もし、嫌な場所を撫でようとすると、シャーと威嚇したり、猫パンチを繰り出してくるでしょう。
触っているときにしっぽをバンバンと打ち付けている場合は、機嫌も悪く怒っています。
猫はお尻やしっぽを触られるのが嫌いなので、仲良くなりたい方はくれぐれも触らないように注意してください。
触られると嬉しい場所と嫌な場所は、猫の個性によっても違うので、一番好きな場所はどこなのか探して、撫でてあげましょう。
嫌われていると感じたら距離を置く
猫は気に入らないと思っている相手がいると態度を変えます。
シャーと威嚇したり、噛みついたりするなどのあからさまな態度をとる猫もいれば、耳を伏せたり、手をじっと見ていたり、尻尾をひくつかせるなどのかすかなサインの場合もあります。
もし猫がこのような態度をしていたら、いったん距離を置いた方が良いです。
多くの飼い主さんは、仲良くなりたい一心で猫に近づき構おうとしますが、逆効果です。
猫は嫌っている状態なので、ますます嫌われてしまいます。
猫の個性によって、触られるのが好きな猫、抱っこが嫌いな猫などがいるので、無理に嫌いな事を好きにさせる事はできません。
まずは、人間が猫に敬意を払っている事を示し、心を開いてもらう事が大切です。
食べさせずぎない
ご飯をあげることが愛情だと思っている飼い主さんは、餌をたくさんあげないと嫌われてしまうのではないかと不安に思い、猫に食べさせすぎているかもしれません。
しかし、これでは肥満になってしまいますし、猫に心を開いてもらう為に餌をたくさんあげる必要はありません。
餌を敵量しか与えなくても猫はなつきますし、逆にダイエット中の猫ちゃんの方が、飼い主さんの膝にのったり、ゴロゴロとのどを鳴らすことが多くなったという研究結果もあります。
ご飯が欲しくて甘えるようになったのかは分かりませんが、猫ちゃんの肥満は病気にも繋がるので、食べさせすぎには気を付けましょう。
たくさん遊んであげる
猫が問題行動を起こす原因は、ほとんどが運動不足です。
犬の場合は毎日お散歩が必須ですが、猫だとお散歩はしないので、定期的にエネルギーを発散させてあげなければなりません。
この、定期的にエネルギーを発散させることの重要性について分かっていない方が多いですが、猫が近寄ってくる理由には「遊んでほしい」という気持ちがあります。
これは猫ちゃんによっても個性があるので違いますが、多くの猫は狩猟本能をくすぐる獲物のようなものがくっついているおもちゃを好みます。
なので、猫ちゃんとたくさん遊んであげて、相互の絆を築き、猫ちゃんの健康も維持しましょう。
屋内で飼う
屋内で飼っている猫は、外にいる猫に比べて飼い主さんとのスキンシップが増えるため、信頼関係を築きやすいと言えます。
また、猫は夜行性ですが、屋内で飼っている猫の場合は、飼い主さんが活動している昼間に活発的になり夜は眠るようになります。
猫も環境に適応するために、夜行性→昼型に変化するのです。
子猫のときに社会性を育む
子猫の頃から飼っている場合は、1日にわずか数分でも飼い主さんがかまってあげると、人間を信頼するようになり人懐こい性格になります。
このような社会性をはぐぐむためには、生後2~9週が最適で、愛情を注いでよく遊んであげたりかまってあげると1年後には飼い主さんになつくでしょう。
子猫の頃に社会性を育まれてない猫に比べて、恐怖心も少なくなります。
猫の個性や相性を考慮する
ある程度育った成猫を飼う場合は、飼う前に面会する回数を増やしましょう。
大人の猫を引き取り信頼関係を築く際は、その猫の個性や相性を考慮する事が大切です。
その猫独特のルールがあったり、好き嫌いは猫によって全然違います。
猫の外見だけではその個性を見抜く事が出来ないので注意しましょう。
常に猫の行動を注意深く観察する
猫に心を開いてもらうには、猫の行動をじっくり観察し、あなたの行動にどのような反応を示すか見てみましょう。
猫が満足しているときは、瞬きをしたり、イライラしているときは耳をぴくぴくと動かしたりと、なにかとサインを発しています。
小さな仕草なので見落としがちですが、猫が今何を思っているのか、をより理解する事が出来るはずです。
そしてそれにより、こちら側の行動を変えてあげる事で、猫も徐々に心を開いてくれるでしょう。
最後に
猫が癒しを感じて心許している9つの仕草と、猫に心を開いてもらう方法を10個ご紹介しました。
あなたにも、あ、これやられたことある!という仕草がいくつかあったのではないでしょうか。
また、まだ猫に信頼されていない飼い主さんも、信頼関係を築くためにまずは、猫を観察して猫の気持ちになってみましょう。
これらはすべて猫が信頼している証であり、愛情表現でもあります。
猫のサインを汲み取ってあげれば、もっと仲良くなれるはずです。
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