シンガプーラの特徴・性格・寿命・体重・値段・飼い方

シンガプーラの歴史

シンガプーラは比較的新しい猫種で、1980年前後にCFA、TICAに登録されました。

当初はシンガポールの下水溝で暮らしている猫とされていましたが、育種のいきさつから、自然発生種であるかどうかの議論には決着がついていません。

なので、登録を見送っている猫団体もいくつか存在します。

シンガプーラが発見されたのはシンガポールですが、彼らを発見し自国に連れ帰って育種を行ったのはアメリカ人でした。

1970年代初めころアメリカ人の夫妻はが東南アジアで、現地の動物保護団体SPCAからティックド・タビーの小さな猫を引き取り、ほかの数頭の猫たちと一緒に生活していました。

1975年に彼らが任期を終えて帰国することになった時、5頭の猫たちを連れてアメリカに戻ることになり、シンガプーラの育種が始まります。

シンガプーラは成猫になってもとても小柄で、独特のセピア色のティックド・タビーという美しい毛色とを持っていました。

また、猫らしくない人懐こさも魅力であっという間に人々の心を捕えました。

こうして、夫妻が育種を始めてからわずか6~7年という異例の早さで、CFA、TICAという大きな血統登録団体に猫種として公認登録される事となったのです。

さらに1979年にはTICAの、1988年にはCFAのチャンピオンシップにも登録されています。

 

世界一小さな猫として人気を誇るシンガプーラですが、アメリカで育種されたシンガプーラたちは、サイズが比較的大きくなる傾向にあり、実際にこうした個体が増えています。

シンガプーラの特徴

シンガプーラは、純血種の中で世界一小さい猫として知られています。

丸い頭の両端に、付け根の広い耳がついており、アイラインの強いアーモンド形の眼が特徴的です。

小柄で可愛らしいため「小さな妖精」と呼ばれる事もあります。

他の猫とは違って、シンガプーラの子猫は生後9週間までに何度も目の色が変わるという性質があります。

特徴的なセピア色の美しい毛並みは、キラキラ光るティッキングがあり、シルクのように輝きとても綺麗です。

体は小さいものの筋肉質であり、しっかりしています。

先細りの長めのしっぽがあるセミコビータイプと言われる猫種です。

シンガプーラの性格

シンガプーラは、活発で運動が大好きな猫ですが、ほとんど鳴くこともなく静かな所を好むので、大人しいとも言われています。

また、優しくて甘えん坊な性格ですが飼い主さんにのみなつく傾向もあるようです。

特に飼い主以外の人と接するときなどは、慣れない環境にナーバスになってしまうこともあるので多頭飼いにも向きません。

そんなシャイな面もシンガプーラらしいと言えます。

野生時代は下水溝でネズミを追いかけていたため、高い運動能力や好奇心旺盛な一面もあります。

なので、飼い主さんとのおもちゃ遊びが大好きな猫種で、沢山遊んであげると喜びます。

シンガプーラの寿命

シンガプーラの平均寿命は、10〜16年と幅があるようです。

一般的な猫の平均寿命と比べると、あまり変わらないかやや短いですが、しっかり体調管理をしてあげる事でより長生きしてもらう事ができます。

シンガプーラは神経質な一面を持つので、一番気を付けたいのは、ストレス性の疾患です。

ストレスを溜めさせない為にも、時間があるかぎり一緒に遊んであげると良いでしょう。

また、遺伝性の貧血もシンガプーラによくみられる病気の一つと言われています。

鉄分が不足してしまわないように、食事のバランスにも注意が必要ですね。

定期的にワクチンや健康診断も欠かさないようにしましょう。

シンガプーラの体重

シンガプーラの平均的な体重は、メスで2〜3キロ、オスで2.5〜3キロしかありません。

基本的に、1歳の頃の体重が適正な重さだといわれているので、参考にして下さい。

シンガプーラの値段

シンガプーラの値段相場は、平均価格で23万円前後と、やや高めです。

親猫の血統が良く、毛色や目の色が良ければ、40万円近くもする子もいます。

価格は少し高めですが、それだけ育てる価値のある猫として、世界中で人気を集めています。

シンガプーラの飼い方

シンガプーラは、運動量が多く活発であり、人への依存心も強い猫です。

同じ高い所なら人間の肩の上の方が良いとばかりに飛び乗ってきたり、背の高い家具の上から家族の肩をめがけて飛び降りてくることもしばしば。

なのでお互い怪我をしないように、人間の方が注意してあげる必要があります。

適正な運動量を確保するために、面倒くさがらずたくさん遊んであげましょう。

シンガプーラの中でも、水を怖がらない子もたくさんいます。

事故防止のためには、水のたまった浴槽や洗濯機、トイレのふたはきちんと閉めておくと安心です。

シンガプーラは賢いので、しつけもしやすく難しくありません。

被毛は長くないので、お手入れは定期的なブラッシングやコーミングを行ってあげれば十分です。

 

 

シンガプーラのかかりやすい病気

シンガプーラは人懐こく甘えん坊ですが、神経質な面もあるので、飼い主がいなくなったり慣れない場所に連れていかれると大きな不安を感じます。

そんな、神経質なシンガプーラが一番気を付けたいのが、ストレス性の疾患です。

 

シンガプーラは多頭飼いには向いていない猫種なので、ストレス解消や運動不足のためにも、しっかり運動できる環境を作ってあげたり、遊んであげるようにしましょう。

 

もともとシンガプーラは運動が大好きなので、猫じゃらしや動くネズミの玩具で遊んであげると喜びます。

思いっきり体を動かして、ストレスを解消させてあげてください。

 

ここからは、シンガプーラのかかりやすい病気について解説していきます。

 

  1. ピルビン酸キナーゼ欠損症
  2. 心筋症
  3. 皮膚疾患
  4. 進行性網膜萎縮

 

 

ピルビン酸キナーゼ欠損症

シンガプーラがかかりやすい病気の1つ目に「ピルビン酸キナーゼ欠損症」が挙げられます。

ピルビン酸キナーゼ欠損症は、シンガプーラに特徴的な遺伝性疾患で、貧血などが起こる病気です。

 

血球を作るのに欠かせない酵素でもある、ピルビン酸キナーゼが欠損している事で、赤血球が壊れやすくなり貧血を起こします。

症状としては、貧血のほかに元気が無かったり、食欲がないなどの様子が見られます。

治療方法としては、ステロイド剤の投与や脾臓の摘出手術等を行います。

 

命に関わるような重大な病気ではありませんが、愛猫の為にも早めに対処してあげましょう。

また、遺伝性の疾患なので、両方の親が病気の遺伝子を持っていると、子供も遺伝している可能性が高いでしょう。

確認が可能であれば、両親がピルビン酸キナーゼ欠損症の病気をしていないかを確認しておく良いですね。

 

心筋症

シンガプーラのかかりやすい病気の2つ目は「心筋症」が挙げられます。

心筋症にはいくつか種類がありますが、その中でも猫全般がかかりやすいのが「肥大型心筋症」です。

 

肥大型心筋症とは、心臓の筋肉が肥大してしまい、心臓の部屋が狭くなってしまう病気です。

そうすると、ポンプとしての心臓の動きが鈍く弱くなってしまうので、血液の循環が悪くなります。

血液が上手く運べなくなるので、滞って血栓ができる可能性もあるでしょう。

もし血栓ができてしまうと、それが足の血管に詰まったりする危険もあります。

 

このように病気が悪化してしまうと、動きがぎこちなくなってしまったり、呼吸困難を起こしてしまいます。

命に関わる病気なので、早期発見のためにも定期的に健康診断を受けるなどの対策をしましょう。

 

 

皮膚疾患

シンガプーラのかかりやすい病気の3つ目に「皮膚疾患」が挙げられます。

もともとシンガプーラの原産国であるシンガポールは、湿気が多く蒸し暑い国です。

なので、温度管理ができないと体調が悪くなったり皮膚疾患を起こします。

 

特にシンガプーラは蒸し暑い国で育った猫なので、寒さに弱く乾燥が苦手な猫です。

なので、日本の冬の寒さに弱く、暖房での温度管理が必須となります。

 

症状としては、かゆみや炎症、脱毛などが見られます。

皮膚にかゆみが出た場合、悪化するとかきむしって傷だらけになり、流血してしまう可能性があります。

なので、冬場はブラッシングをしながらかきむしった後などがないか、しっかち見てあげましょう。

 

 

対処方法としては、カビや花粉が散乱しないように、暖房器具をこまめに掃除したりして、常に清潔に保つことが大切です。

もし、シンガプーラが異常に体をかゆがっていたり、いつもより体臭が臭い、お腹に赤い湿疹ができているなどが見られたら、すぐに動物病院に診てもらいましょう。

 

アトピー性やアレルギー性の皮膚炎の場合もあるので、悪化させないためにも早めに連れて行って下さい。

 

 

進行性網膜萎縮

シンガプーラがかかりやすい病気の4つ目に「進行性網膜萎縮」が挙げられます。

進行性網膜萎縮は、網膜が変性・萎縮してしまい、正常な機能を果たさなくなる病気で遺伝性の疾患です。

これによって、視細胞が減少し視力が低下してしまいます。

 

症状としては、初期は特に夕方〜夜にかけての暗くなった時間帯に、盲目になります。

そして、最終的には錐体細胞が障害を受け、昼夜問わずに完全に失明してしまう可能性があります。

また、網膜が萎縮してしまうと酸素や栄養が欠乏してしまうので、白内障も引き起こしやすくなるでしょう。

 

なので、

  • 暗い場所を怖がる
  • 音に対して敏感になる
  • おもちゃを追う遊びをしなくなる
  • 高いところに登らなくなる
  • 物にぶつかる
  • 段差につまずく

などの症状が見られたら、進行性網膜萎縮の可能性が高いでしょう。

 

治療法や予防法に決定的なものはないですが、命に関わる病気ではなく、徐々に進行する病気なので、飼い主さんのサポートも必要になってきます。

猫自身も視力低下をしっかりと認識しているので、自分の室内環境や散歩コースを覚えるなどして、楽しく生活できるでしょう。

 

なお、視力低下が疑われた場合は、その他の病気の可能性もあるので、必ず動物病院へ連れていきましょう。