この記事では折れた耳がキュートで人気の猫スコティッシュフォールドの特徴・性格・飼い方などについて解説しています。
スコティッシュフォールドの特徴
スコティッシュフォールドのチャームポイントと言えば、やはりこの折れ耳でしょう。
がっしりとした体格に、丸い顔と丸い目をしているのが特徴です。
折れ耳の「折れ」が名前の通りが英語で「フォールド(fold)」の部分になりますが、スコティッシュフォールドが生まれる時は、実はどの子猫もまっすぐな耳をしています。
生後3週間から1カ月程度で耳が折れ始めますが、遺伝的に折れ耳になるのは全体の3割強くらいという説もあります。
現在はこの耳は偶然できた突然変異であるとの研究結果も出ています。
また、スコティッシュフォールドは、「スコ座り」とも呼ばれる腰を抜かしたような独特の座り方をする時があります。
腰や股関節の形成不全のため、このような座り方ができるのですが、その様子も大変愛らしく人気の理由の一つです。
中には一般の猫がするような両手両足をたたんだ「香箱座り」が苦手な、スコティッシュフォールドも沢山います。
スコティッシュフォールドの性格
スコティッシュフォールドは、とても家庭的な性格をしています。
なので、子どもや同居動物との相性も良く、環境の変化にもあまり動じないため、お子さんがいるお家でも非常に飼いやすいです。
また賢く、好奇心が強く、遊び好きなので、家族と一緒にいる事が多いでしょう。
スコティッシュフォールドは、鳴き声も小さいのでご近所面でも安心です。
スコティッシュフォールドの歴史
スコティッシュフォールドは、現在世界中で飼われている折れた耳が特徴的な猫種です。
そんなスコティッシュフォールドの歴史を遡ると、1頭の白い猫に辿り着きます。
その白い猫は折れ耳のメス猫で、イギリス・スコットランド地域の農村で羊飼いウィリアム・ロスによって、1961年に発見されました。
スージーと名付けられた折れ耳の白い猫は、ロスの手により交配され子猫を生みました。
1966年に、ロスはGCCF(イギリスの猫種血統登録団体)に登録し、スージーの産んだ猫を土台に、折れ耳猫の品種確立を目指して、本格的に繁殖を始めました。
そして1977年にCFA(アメリカ猫愛好家協会)、「スコティッシュフォールド」という猫種として登録が認められます。
しかし、スコティッシュフォールドは歴史が浅く遺伝性疾患が起こりやすい猫種です。
なので現在でも各国の猫登録団体でブリティッシュショートヘアや、アメリカンショートヘアとの交配が認められているケースが多いです。
スコティッシュフォールドの寿命
スコティッシュフォールドの平均寿命は、10~13年と言われています。
他の猫種の平均寿命と比べると、スコティッシュフォールドの寿命は、2年ほど少ないです。
これは、スコティッシュフォールドは体がもともと弱いため、様々な病気にかかりやすいからです。
なので、長生きしてもらうためには病気に気を付けながら、室内で体調に気を配り飼育しなければなりません。
スコティッシュフォールドの気を付けたい病気
スコティッシュフォールドは、歴史で説明したように1頭の猫スージーを祖先としています。
なので純血種として品種の歴史が浅く、近親交配が多くなされてきた歴史から、遺伝性疾患が多く出ると言われており、病気にかかりやすいです。
スコティッシュフォールドで非常によく報告されている病名は、「遺伝性骨軟骨異形成症」です。
「骨瘤(こつりゅう)」と呼ばれる軟骨のこぶの病気で、発症すると手足やしっぽの関節部の軟骨が瘤状に大きくなり、痛みと歩行困難を伴います。
ほかにも関節に異常がおきやすく、後ろ足やしっぽが変形してしまう事があります。
動物病院で定期的な検診を受けたり、食事を低カロリーにしてあげること、去勢・避妊手術をすることが病気をせずに、長生きしてもらうためのコツです。
スコティッシュフォールドの平均体重
スコティッシュフォールドの平均体重は、オスは4~6kg、メスは2.7~4kg程です。
もし、平均体重と現在の体重に大きく差がある場合は、1ヶ月で現体重の2~6%減を目標にダイエットしましょう。
スコティッシュフォールドのダイエット方法は、食事管理で行います。
普段の食事をダイエットフードに変更してあげましょう。
スコティッシュフォールドの値段
折れ耳が可愛く、人気の猫種であるスコティッシュフォールドの相場は、大体16万円前後です。
最高価格は71万円、最低価格は3万円とかなり幅があります。
スコティッシュフォールドの飼い方
スコティッシュフォールドの中でも、毛が長いタイプは、週に2~3回以上ブラッシングが必要です。
毛が長いと毛が絡まって毛玉になりやすく、毛球症をおこしやすくなってしまいます。
なので、小まめにブラッシングをしてあげましょう。
また、短い毛のタイプは定期的なブラッシングとコーミングを行いましょう。
スコティッシュフォールドは、耳が折れていて汚れが溜まりやすいので、こまめに耳掃除もしてあげる必要があります。
耳が折れている部分も丁寧に優しく耳掃除をしてあげましょう。
スコティッシュフォールドのかかりやすい病気
スコティシュフォールドは、その愛らしい姿が人気でとても可愛い猫ですが、実は病気にかかりやすい猫種です。
なので、これからスコティッシュフォールドを飼いたいと思ている方や、既に飼っているという方は、これから解説する病気に十分に注意してあげましょう。
スコティッシュフォールドのかかりやすい病気としては、主に以下が挙げられます。
- 遺伝性骨形成異常症
- 外耳炎
- 遺伝性難聴
- 眼瞼内反症
- 白内障
- 肥大型心筋症
- 腎不全
- 尿路結石症
それぞれについて詳しく解説していきます。
遺伝性骨形成異常症
遺伝性骨形成異常症は、関節や骨格などの耳以外に異常が出てしまう病気で、スコティッシュフォールド特有の病気です。
スコティッシュフォールドは突然変異によって折れた耳を持った猫がルーツとなっているので、軟骨に異常が出やすいです。
症状としては、目に見て分かるようなコブ(骨瘤)が出来たり、後ろ足の関節に強い痛みを伴って歩行困難になる場合があります。
また、鼻に異常が出た場合は鼻血が出やすくなります。
治療法としては鎮痛剤の投与や放射線治療を行って病気の進行を抑制するなどの対処療法が行われます。
子供のうちに発症するケースが多く、成長とともに骨が固まって和らぐ場合もありますが、関節が変形するともとには戻りません。
成長しても病状が進んだり、成猫になってから発症する場合もあります。
猫ちゃんにとって痛みや苦痛を味わう事になるので、なるべく早く発見し治療をしてあげなければなりません。
外耳炎
外耳炎は、外耳道に炎症が起こる病気です。
主な原因としては、寄生虫や細菌などの菌による感染、アレルギー、耳垢や被毛などの異物などが挙げられます。
症状としては、頭を振ったり耳を気にする、耳垢が増える、耳が臭いなどが現れるので、異常を感じたら動物病院へ連れていきましょう。
治療法は外耳炎の原因となった要因や、病気の進行度によって治療法は変わりますが、耳の洗浄や飲み薬による治療が行われます。
遺伝性難聴
遺伝性難聴は、スコティッシュフォールドの遺伝性によって難聴になり音が聞こえにくくなる病気です。
症状としては、呼びかけても反応しない、反応が悪くなるなどが見られます。
チャームポイントとなっている「折れ耳」は、軟骨形成異常であるため、耳道に奇形などの異常が発生しやすく、先天的な難聴が起こりやすいと言えます。
難聴は命に関わるような病気ではありませんが、危険察知ができなくなったり、呼びかけに反応しなくなるなど難聴になると大変です。
判断が難しいので心配な場合は獣医さんに相談しましょう。
眼瞼内反症
眼瞼内販症は、瞼が内側に向かって反り返ってしまう病気で、反り返った瞼が眼球に接触する事で角膜炎や結膜炎を引き起こす可能性があります。
症状としては、刺激によって目やにや涙が増えたり、目を良くこするなどが現れます。
原因としては、遺伝やまぶたの痙攣が考えられます。
治療法としては、瞼を切開して余計な皮膚を除去し、縫合する方法が一般的です。
角膜炎も発症している場合はその治療も行われます。
白内障
白内障は、目の水晶体が白く濁る病気で、目にもやがかかったような状態が続き、視力低下などを引き起こします。
症状としては、段差に躓いたり家具や柱にぶつかるなどの様子が見られ、日常生活に支障をきたしてしまいます。
治療法としては、初期の場合は点眼や投薬が行われますが、進行している場合は水晶体を除去し、人工のレンズを入れる方法もあります。
ただし後者の方法は設備や技術が必要なため、処置が行われる事はあまりありません。
また、手術を行っても視力回復が見込めない場合があります。
遺伝子的にスコティッシュフォールドが白内障にかかりやすいというわけではなく、外傷や目の炎症、糖尿病等が原因となります。
なので室内で飼ってあげて、外傷やその他原因に繋がるような要因を避けることが大切です。
肥大型心筋症
肥大型心筋症は、心臓が内側に肥大して厚くなる病気で、心臓の動きが悪くなり、血栓などが出来てしまうと呼吸困難などを引き起こします。
症状としては、初期症状があまりないため発見が難しいですが、元気がない、咳をする、呼吸が荒くなるなどが見られます。
血栓が後ろ足に移動してしまうと、麻痺やひどい場合には失神したり突然死する可能性もあるため、早期発見が大切です。
治療法としては、投薬による緩和などの対処療法になります。
腎不全
腎不全は、老廃物の排出がうまくできずず、尿毒症などを引き起こして危険な状態になってしまう病気です。
腎臓は老廃物をろ過して尿にする働きがありますが、腎臓病になるとろ過機能が弱ってしまいます。
猫は特に腎臓病にかかりやすいので、注意が必要ですね。
症状としては、多飲多尿や食欲不振、嘔吐や下痢などが現れます。
もし水を沢山飲み、頻繁に薄い尿をしている場合は病院に連れていきましょう。
尿路結石症
尿路結石症は、腎臓や膀胱、尿道などに結石ができてしまう病気で、特に尿道の狭い雄猫が発症しやすいと言われています。
症状としては、尿の量が少ない、頻繁にトイレをする、尿の色がおかしい、お腹を触ると痛がるなどが見られます。
尿が出なくなると尿毒症などを引き起こす危険性があるので、早期発見が大切です。
スコティッシュフォールドはとっても可愛い猫ちゃんですが、病気のリスクをしっかりと知っておくことが大切です。
日頃から健康管理に気を付けてあげる事で、病気にかからず長生きできるでしょう。