ラガマフィンの歴史
ラガマフィンの祖先はラグドールですが、この2種類の猫はとても似ているところが多い為、有力な血統登録団体でも公認していない団体があるようです。
存在は古く、登録では新しい猫といわれているラガマフィンですが、こうなったのには事情が少し特別なものがあります。
ラガマフィンを新しく作り出すことが複雑になってしまった理由は、毛色や遺伝疾患のような猫そのものの問題ではなく、人間の問題や繁殖ビジネスと愛好家の仲が悪かったことからでした。
1960年頃、アメリカのカリフォルニアに住んでいたペルシャ猫の繁殖家ベイカーは、自分の飼っていた白色のペルシャと地域に住んでいた猫を混合させて、シールポイントである長毛の猫を作り出しました。
この時の雑種猫はバーマンであったと考えられていて、生まれた子猫にはバーミーズが交配されたようなのですが、正確な記録は残っていないそうです。
1990年ごろ、ラグドールをめぐり色々な状況を踏まえて、後からベイカーのもとを離れた人達は仲間を作って愛好家団体を設立しました。
ラグドールのスタンダードを変更するのと同時に新しい名前を付けて、大きな可愛らしい猫の育種を続けたいと考え、生まれたのがラガマフィンでした。
ラガマフィンの名前は「いたずらっ子」という意味と一緒に「ぼろ服をまとった人」という意味があるようです。
ラガマフィンの愛好家団体では、最初この名前を冗談半分でつけたようなのですが、
登録後の変更ができなかったので、結局ラガマフィンになったとされています。
また、今ラガマフィンを公認していない主な団体はTICAという団体ですが、ラガマフィンとラグドールのはっきりした違いが認められるまで予備登録期間として今も観察が続けられているとのことです。
ラガマフィンの特徴
ラガマフィンは基本となっているラグドールに近い外見で、その長毛にはペルシャやヒマラヤンなの長毛種の血を色濃く受け継いでいます。
やわらかくてあたたかい、フサフサした長い毛が特徴のラガマフィンですが、実はラガマフィンの毛色に規定はなくて、その種類がたくさんあるのです。
単色(ソリッド)として全身ブルー、フォーン、レッド、ライラック、チョコレート、クリームや、二色の毛(バイカラー)としてはホワイトとブラックのパターンだったり、ブラックとシナモンのパターンなどとても多彩です。
縞模様(タビー)を持つ場合だったり、ポイントとなる毛色や班が手足に入っている場合もあります。
豊富なラガマフィンの毛色の出方は、よく似た外見でありながら白色をベースにしたラグドールと見分ける時の判断材料にもなります。
またシルクのような柔らかな触り心地と、上毛と下毛が生えダブルコートになっているのも、ラガマフィンならではの特徴と言うことができます。
そして、卵のような形で少し大きく、つり上がり気味の目の色も多彩です。
オレンジやブルー、グリーンといった色や、もっと特徴的なのは、左右の目の色が違うオッドアイのラガマフィンまで存在しているようです。
毛色と目の色の組み合わせを考えると、全く同じ外見のラガマフィンを探すこととても難しいのではないでしょうか。
そんな意味からラガマフィンはとてもとても個性的で、たった一つの魅力をもった猫だと言えます。
ラガマフィンの性格
ラガマフィンの性格はとても大人しくて、人懐っこい性格とされています。
そのことから、室内で飼うのがが良いとされている猫です。
運動があんまり得意ではなくて、他のペットや子供と問題なく暮らせるということも、室内での飼育が向いている理由です。
また、実はとても頭が良くて、その場の環境に適応する能力が、他の猫と比べるとずば抜けて高いと称されている猫らしいです。
良く言うと飼いやすい性格の猫ですが、環境に適応する能力が高いことが裏目にでてしまいます。
そしてもうひとつの性格として、すぐいたずらをしちゃう猫としても、とても有名です。
ラガマフィン名前の由来は「ぼろぼろの服をまとった子」「いたずらっ子」からつけたとされているので、
好奇心旺盛で子猫のようにいたずらをするラガマフィンの姿を見れたら、思わず納得してしまいそうですね。
一人遊びが得意なので、新聞紙や洗濯物などを遊び道具にしたり、家具で爪研ぎをしたり食器棚に入り込んでしまったりと、
色々ないたずらをされてしまいそうですが、かわいい大きな目で見つめられて、表情豊かな愛おしい顔を見てしまったら、
可愛すぎて怒れる飼い主さんも、なかなかいないのではないでしょうか。
ラガマフィンの寿命
一般的な猫の平均寿命は15歳くらいだと言われていますが、ラガマフィンは平均の寿命よりも少し短く10~13歳くらいだとされているようです。
ですが、猫の平均寿命は飼い主さんのお世話や普段与えている猫のエサによっても変わってくるそうなので、常日頃からラガマフィンの様子をこまめにチェックしておきましょう。
ラガマフィンは食事の量も多い方なので、高栄養食を用意することが大切です。
猫のエサを選ぶ場合は、パッケージの一番初めにかかれていて一番多く入っている主原料のがお魚やお肉やあるものを選ぶようにもしましょう。
ラガマフィンの体重
ラガマフィンは一般的な猫よりも、大きくなる猫種です。
一般的な猫の平均体重は、約3~5kgくらいといわれていますが、ラガマフィンの場合は4~7kgくらいになるといわれています。
雄の中には体重が9kgくらいになる子も少なくありません。
なのでノルウェージャンフォレストキャットのような大型の猫種を飼ってみたいと思っている方たちにぴったりの猫種だといえます。
ラガマフィンの値段
ラガマフィンはラグドールと比べると、まだまだ知名度が低い猫種なので希少価値が高くて、値段も高めになっています。
平均価格は25~30万くらいとなっていて、ペットショップではあんまり見かけられませんが、ブリーダー経由だと購入することができます。
ブリーダーサーチサイトの中には、ブリーダーとの契約とは別に何日間の生体保障サービスというのがつけられている所もあるので、猫をお迎えするときは保障内容にも注目しながら猫を選びましょう。
ラガマフィンの飼い方
ラガマフィンは食事量が他の猫と比べて多いため、太りやすい猫種となっています。
太って肥満になってしまうと糖尿病などの病気になりやすい原因にもなってしまうので、十分に注意してください。
そしてラガマフィンは毛が長い猫種なので、飼い主さんが抜け毛ケアをしてあげることが大切になります。
毛の長さがセミロングからすこし長めなラガマフィンは、他の長毛種とくらべると抜け毛が少ないのですが、
やっぱり自分自身でグルーミングをするだけだと抜け毛ケアが不十分となってしまいます。
なので、飼い主さんは1日に2回くらいは猫のブラッシングを徹底していきましょう。
また換毛期など、特に毛の抜けやすい時期には2週間に1回くらいはシャンプーを行って、猫の抜け毛を洗い落してあげるようにしましょう。
猫を洗う際は、必ず猫用のシャンプーを使うようにしましょう。
人間用のシャンプーに含まれているアロマ成分は、猫の体に害を与えてしまう可能性があるのでとても注意が必要です。
ラガマフィンのかかりやすい病気
ラガマフィンはペルシャの血を受け継いでいるので、ペルシャに見られやすい遺伝性疾患が見られることもなくはありません。
その中でも下記の病気は、ラガマフィンがかかりやすいといわれている病気なので注意が必要になります。
肥大型心筋症
肥大型心筋症は、心臓の筋肉が内側に向かって分厚く大きくなってしてしまう病気のことです。
大きくなると心室が狭くなってしまい、血液の流れが悪くなります。
発症する年齢は幅広く、生後半年でかかる猫もいれば年をとってからの16歳くらいで発症する可能性もあるので、長い目でしっかりと猫の様子を見ていくことが大切になります。
そして、早期発見が難しいのも肥大型心筋症の特徴になっています。
肥大型心筋症は目立った症状が見られないまま、どんどん病気が進行していきます。
なので、飼い主さんが飼い猫の異変に気付いたときには、もうすでに重篤な症状になっていることも少なくありません。
主な症状としては、少し運動して動いただけで、犬のように息を切らしたり、歩き方がいつもと違って見えたり、
呼吸困難になってしまう、立ち上がれなくなり痛がっているというような症状がみられます。
肥大型心筋症は、今の医学では完治することができない病気です。
ですが、病気が進行する前に早期発見することができれば、薬を使って飼い猫の体を守っていくことも可能です。
その為には、定期健診などのときに超音波検査・血液検査をしっかりと受けさせましょう。
多発性のう胞腎症
多発性のう胞腎症は、ゆっくりと着実に進行していく遺伝性の腎臓病になります。
多発性のう胞腎症は、ペルシャと血縁関係がある猫種に起きやすいといわれている病気で、アメリカンショートヘアーやスコティッシュフォールドにも見られやすいです。
多発性のう胞腎症になると、両方の腎臓にできた小さなのう胞が数を増やし、少しずつ大きくなっていって、腎臓が劇的に大きくなっていきます。
こうなってしまうと、慢性腎不全と同じように、食欲不振や多飲多尿、体重減少といった症状が見られるようになります。
多発性のう胞腎症は、残念ながら今の医学では完治させることができません。
その為、治療時は慢性腎不全の子と同じように、リンやタンパク質を制限した食事を徹底したりして、血圧降下剤で高血圧対策を行ったりすることがとても大事だといわれています。
遺伝性の疾患である多発性のう胞腎症は、予防をするのが難しい病気となっているので、心配な場合は、子猫のうちから受けられる遺伝子診断や超音波検査などを受けて早期発見を目指していきましょう。
毛球症
長毛の猫種であるラガマフィンは、飼い主さんが抜け毛のケアを怠ってしまうと毛球症を引き起こしてしまう可能性も高くなってしまいます。
毛球症は、毛づくろいをした時に、飲みこんだ抜け毛が消化器官の中にとどまり、排泄や嘔吐で体の外へ出せなくなってしまう病気のことです。
主な症状としては、食欲不振や吐くような素振りを見せるのに吐き出せなかったりすることです。
中には、お腹を触られることを途中から嫌がり始める子もいるでしょう。
軽度な毛球症であれば、毛球除去剤を舐めさせて体内にとどまってしまっている毛を排出させることができます。
それでも症状が改善しなかったり、腸閉塞を引き起こしてしまう可能性があったりし場合は、開腹手術で体内の毛玉を取り出さなくちゃいけないこともあるので、猫の体に大きな負担をかけてしまう可能性があります。
毛球症は、飼い主さんが日頃からこまめに猫をブラッシングをしてあげるだけで十分防ぐことのできる病気です。
また、ブラッシングだけじゃなくて、抜け毛ケア用のフエサやおやつ、猫草などを併せて与えることにも効果があるので、ぜひ飼い主さんの少しの努力で飼い猫の健康を守っていってあげてください。
最後に
ラガマフィンについて、解説しました。
ラガマフィンの長い歴史には、驚きましたね。中々大変な人生を送っている猫でした。
太りやすい猫なので、食事には十分注意し、且つ健康な食生活を心がけましょう。
また、病気にもならないようにしっかり定期的に病院へ連れていけたらいいですね。