子猫を保護したらどうすればいいの?【事前に知っておくべき注意点】

このページでは子猫を保護する前や保護した際にどうすればいいか対処法をまとめています。

猫を保護する際の注意点

親猫がいる場合

親猫がいる場合は保護しない方がよいかもしれません。なぜなら、人が母猫にかわり赤ちゃん猫を成猫まで育てるのは想像以上に難しく、人が保護したことによって亡くなってしまうこともあるからです。なにより、母猫にとっていきなりわが子を連れて行かれるのは悲しいことです。

通常、母猫が数時間も赤ちゃん猫を放っておくことはありえません。

母猫が赤ちゃん猫を迎えに来ないようならケガをして動けないなど、母猫が育児をできない状況なのかもしれません。

そのような場合には、保護を考えてください。

しかし赤ちゃん猫のお世話には時間も労力も必要です。

自分が責任をもって育児に時間を割くことができるのか考えてから保護するようにしてください。

先住猫がいる場合

子猫を保護した場合は先住猫に会わせる前に動物病院で診察を受けることが大切です。

まずは病院で、ノミの駆除や腸内寄生虫を調べるための便検査などをしてもらいましょう。

感染症などにかかっている場合は、ケージや別室で飼うなどの対応が必要になります。

また、猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)、猫自血病ウイルス感染症、猫風邪など、感染力が強い病気はいろいろありますが、いちばんうつりやすい感染症は「猫汎自血球減少症」です。

この病気は、猫と同士が直接触れ合わなくても飼い主の手や衣服などを通して感染します。

飼い主の方がウイルスを媒介しないよう注意してください。

また保護した子猫が健康な場合でも、先住は猫にいきなり会わせるのおすすめきせん。

先住猫が子猫を攻撃しケガをさせてしまう場合もあります。

まずはキャリーバッグに入れて対面させ、徐々に慣れさせていきましょう。

保護したい子猫がいる場合

野良猫の中には人に甘えてくる猫もいれば警戒して近寄ってこない猫もいます。

警戒心の強い猫を捕まえるのは非常に困難です。

猫の脚は人間よりもはるかに早いので追いかけて捕まえることは難しいでしょう。

また無理に捕まえようとすると猫も人もケガをする可能性があります。

どうしても保護が必要と判断し保護をしたい場合は動物病院などで捕獲器を借り試してみるとよいかもしれません。

猫を保護したら

猫を保護したら(本当は保護する前に)自分で飼うのか里親を探すのかを考える必要があります。

自分で飼う場合は子猫の飼い方をまとめた以下の記事を参照してください。

里親を募集する場合は次のようにします。

里親探し

里親を探すには

    • 知人をあたる
    • インターネットの里親募集掲示板を利用する
    • 動物病院にポスターを貼らせてもらう

などの方法があります。

どの方法でも共通していえるのは、猫の幸せは飼い主によるということです。

そのため、猫を保護した場合里親になる人とは直接会って信用がおける人かどうか判断することをおすすめします。

猫とのお見あい日を設けたり、猫を引き渡す際はあなたが先方の家までお届けをするとよいでしょう。

また先住猫がいる場合は特に猫と猫の相性を試すお試じ期間を設けてあげるとより親切です。

保護した直後に子猫がなくなってしまったら

子猫は非常に身体が弱いので時には手遅れでそのまま亡くなってしまうケースもあります。

ペットの埋葬方法としては

  • 自宅で埋葬する
  • 自治体で火葬してもらう
  • ペット霊園で弔う

という方法が一般的ですので、納得できる方法で弔ってあげてください。

ただし感染症で亡くなった場合は衛生上の問題があるため、ペット霊園や自治体にお願いして火葬をしてください。

 

子猫を保護したらやるべきこと

子猫は体が弱いので、子猫を保護したさいはやるべき事をやってあげないと病気になったり、弱ってしまいます。

子猫を保護したらまず、以下の事をやってあげて下さい。

 

  1. 保温する
  2. 動物病院で検査
  3. 餌を与える
  4. トイレのケア

 

子猫を保護したらやるべきこと①保温する

生まれたての子猫の場合、自分で体温調節ができないので、まず体を保温してあげる事が大切です。

もし既に猫を飼っている場合は、必ず先住猫から離して保温してあげましょう。

捨て猫の場合は、ダニやウイルスを持っている可能性があるので、先住猫に病気やウイルスを移さないようにする必要があります。

子猫を保温するときの温度は、生後1~2週間の子猫であれば30~34度、3週目以降であれば24~27度ほどが目安となります。

保温する際は飼育箱に柔らかい毛布などを敷いて、冬場の場合は子猫の体が冷えないように、ペットヒーターやホッカイロを入れてあげましょう。

飼育箱は小さめの段ボールなどでも代用可能です。

ダンボールの場合は、周辺に濡れた布を置いてあげる事で乾燥防止になります。

親猫の体温は37~38度ほどなので、それを超える高温に触れ続けていると低温やけどを起こす可能性もあります。

なので、ペットヒーターやホッカイロを使う際は、子猫の体に直接熱源や熱風が触れないよう気を付けて下さい。

子猫の体が汚れている場合は、すぐに洗うと身体に大きな負担がかかってしまうので、元気になるまでは濡れタオルなどで拭いてあげましょう。

 

子猫を保護したらやるべきこと②動物病院で検査

屋外にいた子猫はノミやダニが付いている事がほとんどですが、中には命に関わるような病気や怪我をしている場合もあります。

なので子猫の様子が落ち着いたら、なるべく早めに動物病院で検査を受けましょう。

動物病院でかかる費用は、大体8000~15000円ほどです。

 

【捨て猫の検査・診察費相場】

  • 初診料:1,000円~3,000円
  • 血液検査:8,000円
  • 便検査:500円~1,000円
  • 混合ワクチン接種:4,000円~8,000円
  • ノミダニの駆除:2,000円

 

上記は目安なので、検査費や診察費は動物病院によって異なります。

思ったよりも高額だったという可能性もあるので、かかる前に病院に確認しておくと安心です。

検査した結果、病気や怪我が発見された場合は、適切な治療が行われます。

なので、子猫を拾った際はある程度のお金が必要になる事を覚悟しておいてください。

 

子猫を保護したらやるべきこと③餌を与える

次に考えるべきなのが子猫の食事で、生後間もない猫や1か月までの猫は授乳期です。

授乳期の猫の場合、人間の牛乳だとお腹を壊してしまうので、子猫用のミルクを与えるようにしましょう。

子猫の体重や月齢によってミルクの分量や回数が変わるので、猫用ミルクのパッケージに書いてある詳しい記載を読んで適量を与えて下さい。

仰向けの状態でミルクをあげると気管に入る危険があるので、ミルクを飲ませる際は子猫を腹ばいの体制にします。

ミルクを与える際は子猫用の哺乳瓶を使用しますが、もしすぐに用意できない場合は、シリンジや細めのスポイトで代用可能です。

子猫が小さいうちは一度に大量にミルクを飲むことができないので、1日数回に分けて、根気よく飲ませてあげましょう。

生後1か月を超えると離乳食への移行時期になるので、お皿のミルクを飲ませる方法に移行していきます。

いきなりお皿から舐めさせようとしても、子猫にとっては難しいので、指についたミルクを舐めさせることからはじめ、次はスプーンで舐めさせるなど、段階的に進めていって下さい。

お皿からミルクを飲めるようになったら、離乳食を与えても大丈夫です。

生後2か月を過ぎたらドライフードへと移行していきます。

子猫のうちは一度に食べられる量が少ないので、子猫用のキャットフードを与えて、少量でも栄養がしっかり取れるようにしてあげましょう。

子猫を保護したらやるべきこと④トイレのケア

 

子猫を育てていくにあたって、トイレのケアは非常に重要です。

特に生まれて間もない子猫は自分で排泄する力がないので、母猫がお尻を舐めて排泄を促します。

なので、これを人間の手でサポートしてあげなければなりません。

子猫の排出をサポートする際は、ミルクを与える前後が適切です。

ぬるま湯でぬらした綿棒や脱脂綿、ティッシュやトイレットペーパーなどで、子猫の陰部や肛門周辺を優しくトントンと刺激してあげましょう。

子猫の皮膚は柔らかく傷つきやすいので、なかなか排出しなくても擦ったりしないでください。

子猫が成長して自分で排泄できるようになったら、トイレのしつけを始めていきましょう。

トイレ用の小さな容器に、猫砂やペットシートを引いたものをいくつか用意してあげます。

高さは子猫が自分で入れるように、低く(10㎝ほど)にしてあげて下さい。

トイレの場所は、猫の遊び場や寝床付近に置き、寝起きや食事後に誘導します。

猫砂やペットシートが汚れたら、都度交換する必要してあげなければなりませんが、完全に取り除いてしまうと場所を覚えられないので、猫砂の場合は汚れた部分のみ交換して、匂いが残るようにしてください。

子猫が排泄に失敗しなくなったら、トイレのしつけが完了です。

 

 

最後に

子猫を保護したらどうすればいいの?について、やるべきことを解説しました。

これを知っていれば、もし急に子猫を拾った際も適切な対処ができます。

 

もし事情により猫を飼えない場合は、早めに里親探しをしてあげて下さいね。