ペルシャの歴史
ペルシャは、純血種の猫の中では最も古い品種の1つと言われていますが、その起源は、はっきりとしていません。
ペルシャの歴史は古く、古代から存在していたと言われており、現存している記録から1500年代には存在していたことが確認出来ています。
象形文字で書かれた古代の文書には、ペルシャを想像させる長毛猫の記述があり、もっと古くから存在していたという諸説もあります。
16世紀頃、トルコ経由でイタリアへ入った長毛の猫がいました。
この猫が、ペルシャまたはターキッシュアンゴラであると考えられてきましたが、近年の遺伝子解析研究により、猫種としてのペルシャは西ヨーロッパで成立した可能性があるのではないか、という指摘がありました。
18世紀頃にはヨーロッパ各地の上流家庭で飼育される人気のペットとなり、イギリスで初めて行われたキャットショーにも参加しました。
1620年に、長毛種の猫がペルシャ(現在のイラン、イラク、エジプトのあたり)からヨーロッパへ渡ったという記録があります。
この猫こそ、ペルシャの祖先のうちの1匹だと考えられています。
長毛種の猫は、世界各地の猫と交配を繰り返しながら、そのチャーミングな外見でどの国でも人気者となりました。
1800年代に入ると、ペルシャ猫はブリーダー達による計画的な交配が進められるようになりました。
ペルシャはほかの様々な猫種の基礎となり、あるいは近親交配による弊害を避けるための異種交配の相手としても利用されてきました。
ペルシャが基礎となった猫種には、シャムとペルシャの交配で生まれたヒマラヤンや、ブリティッシュショートヘアとの交配で生まれたエキゾチックショートヘア、特定の顔立ちと毛色の傾向を選択交配した、チンチラなどが挙げられます。
ペルシャの特徴
ペルシャは、ふさふさと長い毛並みと大きい体と短い足が印象的な猫です。
また、金銅色の大きくて丸い目と低い鼻、耳の間が離れているのもペルシャの特徴です。
鼻の高さによって、古くからのタイプであるトラディショナルと、より鼻がつぶれているエクストリームの2つのタイプに分けられます。
古くから猫界の王様として広く知られていたペルシャは、ショーキャットとしても、たくさん活躍してきました。
その愛らしい姿は日本人にも人気で、一般社団法人ペットフード協会の調査においても、平成29年度で飼猫頭数の種類別で5位に入るほどの猫種でもあります。
ペルシャの性格
ペルシャは温和で穏やかな性格をしています。
愛情深い猫でもあるので、飼い主やその家族とも良好な関係を築くことができるでしょう。
体が大きいこともあり、活発に動きまわることも少なくのんびりマイペースです。
なので、あまりかまい過ぎるとストレスを感じてしまうこともあります。
また、ペルシャは基本的に穏やかで落ち着いているので、「上品」という表現がふさわしいほど、人との距離を上手に取ることができます。
甘えすぎず、神経質でもなく、我が強いわけでもないので、子どもの相手で撫でられるのは拒みませんが、一緒に遊ぶのは嫌がる事もあります。
ペルシャはゆったりとくつろぐことが好きなので、あまり興奮することもなく、留守番をしていても寂しがることがありません。
鳴き声も小さく、発情期でも鳴くことはまれなので、総じて室内でも飼いやすい猫種といえるでしょう。
ペルシャの寿命
ペルシャの平均寿命は、15~20歳と言われています。
一般的な猫の平均寿命は15歳前後なので、やや長生きと言えるでしょう。
長生きしてもらうためにも、正しい飼育方法と食事や運動の管理が欠かせません。
ペルシャの体重
ペルシャの平均的な体重は、オスで3.8㎏、メスで3.5㎏前後です。
被毛が豊富なので太っているようにもみえますが、実際は筋肉質の体型で、中型コビータイプの代表とも言えるでしょう。
筋肉質であるものの、運動が好きではないので太りやすい傾向にあります。
6㎏を超えたら肥満の危険性を疑いましょう。
ペルシャの値段
ペルシャの値段相場は、15万円前後です。
目や被毛の色柄・血統などによって10〜20万円程度の開きがあり、キャットショーで高評価が狙えそうな猫ほど高値がつきます。
血統書が付いていると30万円を超えることもあるようです。
ペルシャの飼い方
ペルシャは運動量が少なく、疲れるとお気に入りの場所ですぐに眠ってしまいます。
一日の大くの時間を寝て過ごす日もあるので、肥満になりやすく、食事と運動のバランスに気をつかってあげる必要があります。
また、ペルシャは長毛種の中でも、特に被毛の厚い猫で、ダブルコートの被毛はトップコートもアンダーコートも細く、みっしりと生えています。
なので、できるだけ毎日ブラッシングまたはコーミングをしてあげるのが理想的です。
お手入れを放置すると、毛玉だらけになり、通気性が落ちて皮膚炎の原因になったり、毛づくろいで毛を飲み込んで毛球症をおこしたりする場合があるので、しっかりケアしてあげましょう。