メインクーンの特徴・性格・寿命・体重・値段・飼い方

メインクーンの歴史

メインクーンは、北アメリカでもっとも古い猫種の一つと言われています。

その理由の中でも最も有名でユニークな説は、アライグマと猫の交配で誕生したというものです。

実際には不可能なのですが、メインクーンの体の大きさや毛色、被毛の特徴からこのような説が生まれて広まったと考えられます。

また、メインクーンはアメリカ・メイン州のシンボルになっています。

アライグマの仲間を意味する「coon」との語呂で、そのような説が生まれたのかもしれません。

最も現実的な説をご紹介すると、メインクーンは北欧の猫がバイキングまたは交易ルートで北米に入り、住みついていた猫と交配して誕生したというものです。

メインクーンは、ノルウェージャンフォレストキャットとの類似点が多いことからも、この説は非常に有力だといえます。

メインクーンは、アメリカで早い時期からキャットショーへ出されていた人気の猫種です。

1895年にはマディソンスクエアガーデンでのキャットショーで最高賞を受賞しましたが、1900年代に入ってからは、ペルシャに人気を奪われてしまいました。

人々の関心がメインクーンから離れた為に、血統の登録は先細りになっていました。

しかし、メインクーンの繁殖家と愛好家たちが、1968年にメインクーンの専門クラブ「MCBFA(メインクーン・ブリーダー・ファンシャーズ・アソシエイション)」を設立し、少しずつ人気を取り戻します。

現在もMCBFAは存続しており、200人の専門ブリーダー、キャッテリーと、1200人以上のファンシャーが参加する大きな会となっています。

また、メインクーンはTICA、CFAほか、すべての血統登録団体に猫種として登録されています。

メインクーンの特徴

メインクーンは、四角い顔立ちにとがった耳とヤマネコのような大きな体格が特徴な猫種です。

がっちりとした骨格に広い胸幅、立派な飾り毛と同長の体はまさにヤマネコを連想させますね。

よく、ノルウェージャンフォレストキャットと似ていると言われますが、ノルウェージャンの横顔は直線的なのに対し、メインクーンの横顔では、鼻筋はやわらかい曲線を描いているのが特徴です。

全身は冬の寒さに耐えられるダブルコートの厚い被毛に包まており、しっぽが長くふさふさしています。

雪の中でも滑らないように、肉球のあいだにも毛が生えやすくなっています。

メインクーンは「世界一しっぽが長い猫」「世界一ヒゲの長い猫」として、ギネスブックに登録されたこともあります。

メインクーンの性格

メインクーンは、明るい性格で愛情深くおちゃめな一面をもつ猫です。

人が好きで室内では家族に付きまといますが、あまりベタベタすることはしません。

犬などほかのペットや子どもとも仲良くできるので、来客が来ても安心です。

猫の中でも知性が高いので、人間のすることに興味を持ったり、投げたボールを取って来たりなど犬のような訓練もできます。

体の大きさからは想像できないような、高く可愛らしい声で鳴き、いつまでも子猫のようなしぐさを見せてくれる非常に愛らしい性格の猫です。

メインクーンの寿命

メインクーンの平均寿命は、12~15歳ほどと言われています。

体が大きいので丈夫そうに見えますが、意外にも平均寿命は他の猫とほとんど変わりません。

もちろん個体差はあるので、中には15歳以上生きたメインクーンもいます。

メインクーンの体重

メインクーンの平均体重は、オスの場合で6~9kg、メスの場合で3~6kg程度が一般的と言われています。

大型の代表的な猫ですので、それなりの体重がありますが、少々個体差があります。

ペットとして飼われる中では最も大きくなるうちのひとつとしても知られており、

多くの猫が約1年で成猫になるのに対して、メインクーンは3年ほどかけてゆっくりと成長し、それに合わせて体重も増加していきます。

メインクーンの値段

メインクーンの値段相場は、大体15万円~20万円前後です。

様々な猫の種類の中でも人気がり、メインクーンは猫の中でも長毛種で穏やかな性格なので、ペットとして飼いやすく、大きな体は存在感があります。

また、ブリーダーの専門の方から購入する場合は、20万円~30万円と値段が高くなっていきます。

メインクーンの飼い方

メインクーンは、成猫に達するまでに時間がかかるので、しっかりした体を作るためによく運動させてあげましょう。

また、バランスのとれた栄養を与えるようにしてあげてください。

メインクーンは寒冷地域で長い間生活をしてきた猫なので、防水・防寒のために被毛には皮脂が沢山ついています。

毛のもつれなどは少ないですが皮脂で汚れやすいので、可能であれば毎日、少なくとも週に2~3日はブラッシングやコーミングなどの手入れが必要です。

活発で運動量が多いので高い所に上るのも好きですが、体が大変大きいので、キャットタワーは足場の安定したものがオススメです。

また、その分スペースが必要になるので、事故を防止するためには足場になる場所に物は置かないように気をつけましょう。

 

 

メインクーンのかかりやすい病気

メインクーンのかかりやすい病気には遺伝的要素が関係していると言われています。

また、遺伝的疾患以外にもかかりやすい病気があるので注意が必要です。

 

メインクーンは一般的な猫に比べて若干短命な印象なので、病気を知りいち早く気づいてあげる必要があります。

 

予防できるものは予防し、日々の健康管理に気を配れば長生きしてくれるでしょう。

 

以下がメインクーンのかかりやすい病気です。それぞれ解説していきます。

 

  1. 脊髄性筋委縮症
  2. 肥大性心筋症
  3. 多発性嚢胞腎
  4. 毛球症
  5. 熱中症

 

 

脊髄性筋委縮症

メインクーンのかかりやすい病気の1つ目に「脊髄性筋萎縮症」が挙げられます。

脊髄性筋萎縮症は、猫の胴体や足を動かす脊髄の神経が消失する病気で、メインクーンの遺伝性疾患です。

その為、両親が疾患を患っていると、その子供も100%の確率で発症しますが、どちらか片方のみが発症している場合は、発症しません。

 

症状としては、生後3~4カ月の間に後ろ足の力が弱くなり、かすかに震えだします。

さらに力の低下や筋肉の委縮が伴うため、ジャンプができなくなったり、歩行時に後ろ足が揺れるなどの様子が見られるでしょう。

 

立つときは膝から立つように立ち、筋肉の低下により長時間立っているのが困難になります。

なのですぐに座ったり寝込んだりするといった症状が現れます。

 

治療法としては、現在有効な治療法はないため、対処療法として投薬やサプリメントが使用されます。

完治はできませんが、発症前でも遺伝子検査で異常を発見できるので、悪化させないように気を付けてあげる事が出来ます。

 

肥大性心筋症

メインクーンのかかりやすい病気の2つ目に「肥大性心筋症」が挙げられます。

肥大性心筋症は、心臓の筋肉が肥大し、全身の血流が悪くなる病気で、発症すると心不全や突然死を引き起こす可能性がある命に関わる病気です。

 

シニア期以降のメインクーンに多くみられ、メインクーン全体の約3割が肥大性心筋症を引き起こす遺伝子を持っているという結果が出ています。

 

症状としては、発症当時は元気がない、食欲不振になる、運動を嫌がる、安静しているときに口呼吸をしているなどが現れます。

症状が進行すると、肺や胸の中に水が溜まってしまうので、肺が十分に膨らむことが出来ずに呼吸困難を引き起こす可能性があります。

 

肥大性心筋症は血栓症も発症しやすくなるので、血栓症になってしまうと後ろ足の麻痺などの症状が現れるでしょう。

血栓症の場合は早めの治療が必要で、血栓が心臓の血管に詰まってしまい、ショック症状を引き起こす可能性が高いので危険です。

 

治療法としては現在確立していないため、対処療法として投薬が行われます。

また、症状に合わせて呼吸が楽になるよう水を抜いたり、血栓を溶かす薬を投与します。

 

薬は生涯に渡って投与する必要があり、症状が改善しても投薬治療を続けなければなりません。

 

多発性嚢胞腎

メインクーンのかかりやすい病気の3つ目は「多発性嚢胞腎」が挙げられます。

多発性嚢胞腎は、腎臓に多くの嚢胞が出来てしまい、腎臓の機能が徐々に弱っていく病気で、メインクーンは遺伝子的にかかりやすいと言われています。

 

症状としては多飲多尿や食欲不振など、慢性腎不全と同じ症状が現れます。

病気が進行すると、嘔吐や脱水、貧血などを引き起こし、尿毒症を発症してしまう可能性もあります。

多発性嚢胞腎によって腎不全となった猫は、大抵の場合3~10歳の間にこれらの症状が現れるでしょう。

 

治療法としては現在完治させる方法はなく、腎不全になっている場合は腎不全の治療がメインになります。

また、対処療法として血管内や皮下に点滴を行い、水分補給をし脱水を改善したり、投薬治療ではリン吸着剤や血圧降下剤、制吐剤を使用し、腎機能の温存を目的とした治療が行われます。

 

毛球症

メインクーンのかかりやすい病気の4つ目に「毛球症」が挙げられます。

毛球症は、嘔吐や下痢などの主に消化器症状が現れる病気で、メインクーンは長毛種なのでかかりやすいと言われています。

 

毛づくろい等で飲み込んでしまった被毛が上手く排出されずに、消化管内に詰まってしまうことが原因となっており、ブラッシング不足や高齢も原因になります。

 

症状としては、吐こうとしても吐けなかったり、食欲不振、重症な場合は腸閉鎖になってしまいます。

腸閉塞になってしまうと開腹手術が必要になる場合があるので、早めに治療を受けることが大切です。

 

治療法としては、軽症の場合は球除去剤を投薬し毛玉を溶かす治療と、再発予防のために、定期的に毛球除去剤の投与が行われます。

もし胃の出口や腸に毛玉が詰まってしまった場合には、外科的に手術で除去する必要があるので、数日間入院になるでしょう。

 

熱中症

メインクーンがかかりやすい病気の5つ目は「熱中症」です。

長毛種でもともと北アメリカの原産なので、寒さには強いですが暑さに弱い猫種です。

なので夏は熱中症にかかりやすいと言えます。

 

症状としては元気が無かったりぐったりとした様子が見られます。

熱中症が悪化すると、呼吸が荒くなり嘔吐等の症状が見られ、次第に意識が無くなり非常に危険な状態に陥る可能性もあるので十分注意しましょう。

 

治療法としては、まず体を冷やしてあげ、冷風を当てたり点滴で体温を下げていきます。

自宅で冷やす場合は、低体温症にならないように注意してあげましょう。