チンチラの歴史・特徴・性格・寿命・飼い方・かかりやすい病気

歴史

チンチラ猫はペルシャ猫の一種です。

ペルシャは最古の猫種と言われる程昔から存在する猫種です。

古代の文書にもペルシャ猫の特徴を持つ長毛種の猫について書かれています。

諸説ありますが、1800年代にイギリスで繁殖され、1871年のロンドンで開かれた世界初のキャットショーにも登場したと言われています。

高貴でゴージャスな毛を持つ美しい見た目に魅了される人が多く、人気のため、世界各地の長毛種の猫と交配を繰り返してきました。

 

始まりは1880年代のイギリスで産まれた、ブルーのペルシャと迷い猫の合いの子、チニーと名付けられたシルバーの猫です。

そしてチニーの孫にあたるシルバーラムキンと名付けられた猫が、最初のチンチラ猫となりました。

1900年代には現在と同じような見た目となり、1920年代にはチンチラペルシャ猫としての基準が確立されました。

チンチラ猫とペルシャ猫の1番の違いは、チンチラ猫の方が毛質が軽く、毛色も明るいところです。

ですが、それ以外に特徴に大きな違いがない為、南アメリカや一部の血糖管理団体以外では「チンチラ」という猫種としては認められていません。

特徴

チンチラ猫の1番の特徴と言えば、ふわふわと柔らかく長く美しい被毛です。

高貴でゴージャスな見た目から「猫の王様」とも言われています。

ペルシャ猫には多くの毛色が認められており、その中に「チンチラ」が毛色の一種として含まれています。

ペルシャ猫の中でゴールドやシルバーの毛色を持ち、毛先の5分の1程に黒色が付いているものが「チンチラ」と呼ばれます。

また、尻尾や手足にはアメリカンショートヘアーの特徴を引き継いでおり、足の先は丸めです。

 

細かく見ていくとチンチラ猫とペルシャ猫に違いがある事がわかります。

2種を比べると、ペルシャ猫と違いチンチラ猫の方は鼻が潰れておらず、スッキリとした顔立ちをしています。

目もペルシャ猫より大きくてインパクトある綺麗な瞳です。

チンチラ猫には目の周りにアイラインがのような被毛があり、縁取りされている事で印象的になっています。

どちらも長毛種でフサフサのけをしているので分かりづらいですが、体つきが違います。

見た目が丸っこく太り気味に見られますが、どちらもそんなことはなくしっかりとした体格をしています。

チンチラ猫の方が若干筋肉質です。

 

関連:ペルシャの特徴・性格・寿命・体重・値段・飼い方

性格

チンチラ猫は落ち着いていて、ゆったりとした雰囲気を持っています。

人から大袈裟に構われることを嫌がり、抱っこもあまり好きではありません。

ですが気分屋なので、突然飼い主に甘えてくる事もあります。

ベタベタと触られるのは好きではありませんが、近づいたり離れたりと猫独特の距離感で接してくれるでしょう。

 

子猫の時は遊ぶ事も好きですが、成猫になるとあまり遊ばなくなり、くつろぐことを好みます。

オスは発情期になっても騒ぐことは少なく、とても静かに暮らせる猫です。

お気に入りのスポットを見つけて、長い時間そこに居ることも多く、家族を見守ってくれる存在になるでしょう。

ゴージャスな見た目で上品にくつろぐ姿はまさに「猫の王様」と言えるでしょう。

寿命

猫の一般的な寿命が10〜15年ですが、チンチラの平均寿命は10〜15年と長生きしてくれる猫種です。

長く一緒に過ごせるのはとても良いことですね。

 

 

飼い方

値段

ブリーダーから買う場合、チンチラ猫の子猫成約時の平均価格は17万円です。

5万円から32万円と幅広い値段の猫です。

ペットショップの場合は約20万円から40万円となっています。

購入の際にはしっかりと調べてからの方が良さそうです。

チンチラ猫の飼育環境

チンチラ猫の特徴でもある長くてふわふわした毛は、生え変わりの時期には抜け毛がとても目立ちます。

部屋中が毛だらけになることも少なくありません。

毛足の長い絨毯やラグを引いていると日々のお掃除が大変です。

全体的にはフローリングにして、猫が登り降りする場所に小さなラグを動かないように引いてあげると良いでしょう。

というのも、普段とてもおとなしいチンチラ猫ですが、時には1m以上もの特大ジャンプをする事があるからです。

着地の際に足を痛めないようにしてあげましょう。

 

匂いも少なく排泄物の匂いもあまり気になりませんが、チンチラ猫は尿結石になりやすいので日常的にチェックし清潔に保ってあげるのが良いでしょう。

身体中が長い毛に覆われているので、暑さや湿度に弱いです。

室温をしっかりと管理してあげましょう。

 

とても穏やかな性格で、リラックスしているのが好きなのでマンションでの飼育にも向いています。

鳴き声もあまりなく、限られたスペースでも飼育ができます。

チンチラ猫のしつけ方

穏やかなチンチラ猫に対して大きな声で怒鳴ったり、物を投げたりして怖がらせてしまうと飼い主のことを信頼する事ができなくなるでしょう。

敵として見てしまい、二度と近づいて来ることもなくなってしまいます。

コミュニケーションが取れなくなると、しつけはどんどん困難なものになってしまうでしょう。

ダメなことをした時はその場で「ダメ」と一貫して言うようにしましょう。

猫は人間のように難しい言葉は分からないので、長々と説明するよりも短く伝えてあげる方が効果的です。

そのうち人間の表情や声の高低差、仕草などで人間が不快な気持ちになっていることを読み取ってくれるでしょう。

 

床の匂いを嗅いだり爪で引っ掻くような仕草をした時はトイレに連れて行ってあげましょう。

賢い猫なので、トイレの場所が分かれば覚えてくれます。

猫は自分の排泄物の匂いでトイレの場所を判別するので、別のところで排泄した時は匂いが残らないように掃除しましょう。

チンチラ猫のお手入れ

長毛種は毛が沢山抜けるので、お手入れが必要です。

グルーミングをするので被毛を清潔に保てますが、毛が絡まったり毛玉が出来てきます。

 

毛並みが乱れた時は補正のために猫用のシャンプーをしてあげると良いでしょう。

水に濡れると毛玉や絡まりが酷くなるので、シャンプーの前にはしっかりとブラッシングをしてあげましょう。

しっかりと泡だてたシャンプーで優しく洗ってあげます。

この時に耳や目にシャンプーや水が入らないように注意してあげてください。

濯ぎ残しは皮膚トラブルの元になるのでしっかりと流しましょう。

タオルでしっかりと拭いてあげたら、お尻側からドライヤーで乾かしていきます。

最後に根元から丁寧にブラッシングしてあげて終わりです。

 

シャンプーの頻度はかかりつけの動物病院の先生やトリミングサロンで相談しながら、丁度良い頻度でしてあげましょう。

かかりやすい病気

チンチラ猫には遺伝的にかかりやすい病気もあります。

特徴からかかりやすい病気と合わせて見ていきましょう。

  1. 尿結石
  2. 多発性嚢胞腎
  3. 肥大型心筋症

尿結石

尿路に作られた石によって膀胱炎や尿道炎を起こしてしまう病気です。

尿とともに石が排出される際には激しい痛みが伴います。

原因

様々な原因から引き起こる尿結石ですが、主に言われているのは肥満・栄養バランスの偏り・飲水量の低下です。

肥満による脂肪からの圧迫で尿道は狭くなります。

栄養のバランスが偏り、タンパク質やミネラルを過剰に摂取してしまったりすると石が作られやすくなってしまいます。

また水を飲む量が少なくなると尿が濃くなってしまい結晶が作られやすくなります。

冬場は特に水を飲むのが少なくなる季節なので、注意が必要です。

症状

特徴的な症状としては、頻繁にトイレに行くようになります。

尿の量も減り、トイレ以外の場所でも排尿する姿が見られたり、尿に血が混ざったり、痛みのために鳴き声をあげる事もあります。

逆に尿が全く出せない場合は尿路に石が詰まってる可能性もあり、尿毒症になると数日で命に関わってくる事もあるのですぐに動物病院に連れていきましょう。

治療

外科的に結石を摘出するか、食事療法や内科療法が行われます。

結石の種類に合った食事をとる事で、栄養バランスが整い結石ができにくい状態にしていきます。

水分を多く摂るための工夫もされます。

予防

水分をしっかり摂り、バランスの整った食事を保つ事です。

太り過ぎも結石に良くないので、太らせないように管理しましょう。

 

多発性嚢胞腎

チンチラ猫に多い遺伝性の病気で、約40パーセントがこの病気を持っていると言われています。

腎臓に嚢胞と呼ばれる液体が溜まったものが多数でき、腎機能が徐々に低下して行く怖い病気です。

原因

腎臓を構成するタンパク質を作る遺伝子の異常で嚢胞ができます。

加齢に伴って数が増えていき、また大きくなります。

症状

多飲多尿、食欲不振、嘔吐、脱水、貧血といった症状が見られます。

7歳を超えたあたりからこのような症状が見られるといいます。

日頃から飲水量や尿の量をよく観察しましょう。

治療

残念ながら、現在では完治させる治療が見つかっていません。

腎機能の低下が見られた場合には慢性腎臓病と同様の治療を行います。

点滴により体液を増加させ、血液中の老廃物や毒素を体外に排出させることが主体の治療となります。

腎不全の進行を遅らせるためにタンパク質やリン、ナトリウムなどを制限した食事を与えていきます。

予防

先天的な遺伝性の病気なので、これといった予防法が無いのが現実です。

猫の多発性嚢胞腎は常染色体優性遺伝なので、この遺伝子を持っている猫は必ず発症してしまいます。

両親のどちらかがこの病気を持っていると50%の確率で発症してしまうので、飼う前に飼育主さんに詳しく確認するのも良いでしょう。

肥大型心筋症

心臓の筋肉が肥大してしまい心室が狭くなり、心不全を起こす病気です。

チンチラも含めペルシャ猫はこの病気にかかりやすいと言われています。

原因

発症の原因は今のところはっきりとはわかっていません。

症状

元気や食欲がなくなり、体重の減少も見られます。

後脚の麻痺や肺に水が溜まって呼吸困難になり、口での呼吸やうずくまる様子も見られます。

前足だけで体を引きずって移動する事もあります。

血栓が詰まってしまうとショック症状を起こし命に関わる事もあるので、早急な治療が必要です。

治療

肺に水が溜まっていると利尿剤を用いたり、血管拡張薬や強心剤を用いるなど、症状に合わせた対処療法となります。

血栓の症状が見られる場合には外科的処置か血栓を溶かす薬で取り除きます。

どちらの治療も緊急を要するため、治療が遅れると死亡してしまう事も多いです。

予防

確実な予防法はありませんが、定期的に健康診断を受ける事で早期発見し早くから治療を受けることができます。

重症になる前に病気を見つけることが重要になってくる病気です。

 

 

 

可愛い家族の一員である猫の苦しむ姿は出来るだけ見たく無いものです。

日頃からしっかりと体調をチェックしてあげる事も大事ですが、いざという時のためにペット保険に加入する事も大切です。

病気を防ぐために備える「予防型ペット保険」というのもあります。

保険料は一歳からだと2,380円〜あるので、気になる型は是非検討して見てください。

関連:アニコム損保のペット保険

 

 

 

まとめ

今回は気品溢れる「猫の王様」、チンチラ猫を紹介しました。

ペルシャ猫と似ているようでしっかりと独自の特徴を持ったチンチラ猫に魅了されたのではないでしょうか?

美しい見た目に飼いやすい穏やかな性格で、家族に迎えることを検討している人もいるかと思います。

しかし、遺伝的な病気もあったりと、下調べが必要な猫でもあります。

準備万端で迎えてあげましょう!

 

 

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