猫はさまざまな時に威嚇をしますが、例え飼い猫であっても飼い主さんへ威嚇をする事があります。
愛猫に威嚇をされると、悲しい気持ちになったり傷ついてしまう方もいるかもしれませんね。
猫に「シャー」なんて威嚇されれば、誰でもショックを受けるでしょう。
でも、これは猫の感情表現の一種なのです。
コミュニケーションを上手くとるためにも、猫の威嚇は必要な事です。
どんなに大人しい猫ちゃんでも、威嚇し猫パンチをしたりして攻撃をする事はあります。
また、多頭飼いの場合には特に威嚇する猫ちゃんを見る事になるかもしれないので注意が必要ですね。
今回は、猫が威嚇をする理由は何なのか、辞めさせることはできるのかについて詳しく解説していきます。
また、威嚇の際に見られる変なポーズについても、その特徴を解説したいと思います。
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猫が威嚇をする理由は?
猫は野生の世界ではもともと、縄張り意識のとても強い動物です。
祖先となる猫は単独行動をしていたため、自分の獲物をとったり生きていくために縄張りをとても大切にしていたのですね。
そのため、家で飼っている猫にもその名残があり、く自分の陣地に入る侵入者を厳しく追っ払おうとするのです。
猫が威嚇する主な理由を5つご紹介します。
- 怒っているから
- 攻撃しようとしているから
- 警告をするため
- 怖がっているから
- 具合が悪いから
怒っているから
猫は自分の縄張りやパーソナルスペースに侵入される事や荒らされる事を嫌います。
なので、自分の縄張りで相性の悪い猫と鉢合わせた場合は、すぐさま激しい威嚇行動に出るでしょう。
飼い主さんに対して怒りをあらわにするときは、例えば食事を取り上げられたり無理やりシャンプーをされるなど、嫌な思いをした時です。
このように自分が嫌な思いをしたときは、飼い主さんを睨みつけたりむすっとするなど、怒った表情をします。
さらに猫を怒らせた場合にはひっかかれたり噛みつかれる、猫パンチを食らうなどの攻撃を受けるでしょう。
攻撃しようとしているから
猫が変なポーズをして威嚇してくるときは、「いつでも攻撃できるぞ」というアピールをしており、攻撃的になっている状態です。
猫にとって頭を低くし腰を丸めた態勢は、攻撃態勢なのです。
特に猫同士の喧嘩ではよくみられる光景で、威嚇し合ってもどちらも譲らない場合は取っ組み合いの喧嘩へと発展していきます。
このように威嚇している場合は、少しでもちょっかいを出したならばすぐに攻撃を受けるでしょう。
かなり興奮している状態ですので、しばらくは放っておいてあげましょう。
警告をするため
特に臆病な性格の猫ちゃんは、自分の縄張りやパーソナルスペースに入ってきた猫や人間に警告をするために威嚇します。
「これ以上近寄って欲しくない」「今は放っておいて欲しい」という思いで威嚇をする事もあるので、よく観察してあげましょう。
そこまで威嚇しているように見えないのでついちょっかいを出しがちですが、猫ちゃんのストレスに繋がるのでやめて下さい。
怖がっているから
猫は怖いときにも威嚇をしますが、これは恐怖を感じているものに対して威嚇する事で自分の身を守っています。
このように怖がっているときは「アーオ」という甲高い声で鳴く特徴があります。
不安やパニックになってこのように威嚇をしているので、中にはパニックになりすぎてとんでもない行動をしてしまう事もあるでしょう。
恐怖によって興奮状態になってしまっているので、落ち着くまで様子を見守ってあげてください。
具合が悪いから
猫は自分の具合が悪くても、それをぎりぎりまで見せようとはしません。
それは、他の動物に弱みを見せて狩られないようにする本能でしょう。
なので飼い主さんが猫ちゃんの具合が悪い事に気が付かない事も多いです。
体の具合が悪い事に気づくサインとして「威嚇」があります。
猫の体に触れた際に威嚇をする場合は、もしかするとその部分が良くなくて「触らないで」という意味で威嚇をしているのかもしれません。
なので、体を以上にグルーミングしていたり、触ったときに痛そうにしたときは、病院に連れて行ってあげて下さい。
猫が威嚇をしているときの特徴
まずは、猫がどのような時に「威嚇」をしているのかについて、威嚇状態の特徴を解説します。
猫が威嚇をしているかどうかは、鳴き声やポーズ、表情などから読み取ることが出来ます。
猫が威嚇しているときの鳴き声
威嚇しているときの猫はいつもの鳴き声とは違います。
猫に威嚇されたことがある方は聞いたことがあるかもしれませんが、「シャー」「フーッ」「カッ」といった鳴き声を発します。
この鳴き声によって、自分に近づく相手に「こっちに来るなよ!」と威嚇をしているのです。
さらに口を開ける事で牙を見せ、敵意をあらわにしてきます。
このような威嚇をするのは、猫が強い恐怖心や怒りを感じたときです。
もし上記のような鳴き声を発し口を開けて牙を見せていたら、近づくと攻撃される可能性がありますので手出ししないようにしましょう。
余談ですが、猫の「シャー」は蛇の真似をしていると言われています。
確かによく見てみると、そっくりですね。
その他にも、「ウワーオー」「アオー」などという鳴き声で威嚇をするときがあります。
不安な気持ちになっていたりパニックになっていたりする場合に、このように大きく高い声で鳴きます。
また、低いうなり声で「ウウウー」と鳴くときは、相手に敵対心を持っているときで、喉から絞り出したような音がします。
猫が威嚇しているときのポーズ
【体】
猫が威嚇をしているときに、写真のような変なポーズを見たことがある人は多いでしょう。
このように頭を低くして背中を丸め毛を逆立てているときは、自分の事を防衛しながらも相手にいつでも飛びかかる事の出来る態勢です。
【耳】
耳に力が入っており後ろに反っている様子は、拒絶していたり怒りの感情を表しています。
もし耳が後ろに反っているときに手を出そうとしたものなら、猫パンチなどの攻撃を食らうでしょう。
このように耳を後ろにして反っている状態は「いつでも攻撃できるぞ!」という事を相手にアピールしており、激怒しているという事を伝えています。
一緒に飼っている猫に対して、また窓の外に見える野良猫などに対して威嚇するときによく見られます。
飼い主さんや人間に対してこのポーズをするときは「近づかないで欲しい」というアピールしているので、そっとしておきましょう。
怒りのレベルによって耳の反り具合も強くなっていくので、今どのくらい猫ちゃんが起こっているのかが分かりやすいです。
もし見たことがないほど耳を反り上げているのであれば、よっぽど何か嫌なことがあるので、その原因を突き止めなくしてあげましょう。
【尻尾】
猫が威嚇しているときは尻尾にも変化があります。
具体的にはしっぽの根本だけ持ち上がり、先が垂れた矢のような形に変化します。
この時の威嚇は強気で怒っているんだという事をアピールしており、また、攻撃してやるぞという気持ちの表れでもあります。
猫同士で喧嘩をする際によく見られ、どちらが優位なのか力の差を争う時にすることが多いです。
なお、尻尾の根元をを持ち上げる事で体を大きく見せることが出来るので、相手が猫の場合は特に大きく膨らませてバタバタとしっぽを振る様子が見られます。
猫が威嚇をするときの表情
猫が威嚇をするときは、目と口とひげに変化があります。
【目】
まず、威嚇をするときの猫は瞬きの回数が減り、目を見開いて相手の事を見つめます。
瞳孔も開き黒目の部分が大きくなるのが特徴です。
威嚇する対象に焦点を合わせると、黒目の部分は徐々に細くなっていきます。
【口】
前述したように、蛇のように口を大きく開けて牙(犬歯)を見せます。
また、それと同時に鳴き声を出す事もあり、怒りの強さをアピールします。
なお、そこまで怒っていない場合には鳴き声は出しません。
【ひげ】
猫が怒っているときは表情筋がこわばるので、ひげの根元にもぎゅっと力が入ります。
さらに口を開けて起こっているときは、ひげが後方や斜め上方向に反る様子が見られます。
猫の威嚇はやめさせられる?
飼い猫に何度も威嚇をされたり、爪切りや歯磨きなどの大事なケアの時に威嚇をされる場合は威嚇のしつけをする事が可能です。
もちろん、威嚇は猫が生きていく上で必要な感情表現なので、しつけするのはあまりにも狂暴的で手出しができない場合にだけにしてあげてください。
猫の威嚇に効果的なしつけ方法は以下の3つです。
- びっくりさせる
- 無視する
- 去勢する
びっくりさせる
もし猫が怒りをあらわにしてきたら、両手を「パンッ」と叩いて猫をびっくりさせましょう。
その他にも風船を割ったり息を吹きかける方法も有効です。
これらの方法で猫がびっくりすれば、次第に威嚇をしなくなってくるはずです。
威嚇は通用しないよ、威嚇するとびっくりさせられるよ、という事を猫ちゃんに教えてあげましょう。
無視する
猫が威嚇行動を始めたら、飼い主さんが虫をする方法も有効です。
飼い猫が威嚇をする場合は大概飼い主さんに構ってほしいときなので、構わないようにすることで自然と威嚇するのは意味がないと分かり、やめてくれるようになります。
先住猫が威嚇するときは?
多頭飼いをする場合に、先住猫が新しく向かい入れた猫ちゃんに対して威嚇をする事が良くあります。
この場合、あとからせっかく来た猫ちゃんを返すわけにもいかず、でも先住猫ちゃんは威嚇しっぱなし、、という状態になり困ってしまう方は多いでしょう。
このような時は、ちょっとした工夫をしてあげるだけで、あっという間に打ち解けることができますよ。
一番簡単なのは、先住猫ちゃんの使っているタオルやベッドと、新しく迎え入れた猫ちゃんのタオルやベッドを交換してあげる事です。
縄張り意識の強い動物なので初めのうちはなかなか打ち解けられませんが、相手の匂いに包まれる事で、次第に相手に慣れることが出来ます。
また、初めて対面させるときのポイントとしては、初対面は短い時間で終わらせるというのも大事です。
長い時間とつぜん知らない猫と対面すると、先住猫ちゃんに大きなストレスがかかってしまいますので気を付けましょう。
先住猫が「飼い主さんが新しく迎え入れた猫ちゃんばかり構っている」なんて思ってしまわないように、今まで以上に可愛がってあげる事も、新入り猫ちゃんと仲良くするために大切な事ですよ。
最後に
猫が威嚇をする理由は?やめさせられる?について解説しました。
なぜあのような変なポーズをするのかも、分かっていただけたかと思います。
猫ちゃんが威嚇をするのにはいろいろな理由がありました。
他の動物に比べて神経質になる部分もありますが、工夫次第でストレスを与えずに落ち着かせてあげる事が出来るはずです。
猫ちゃんが怒っているときには、そっとしておいてあげるのが一番です。
飼い主さんも攻撃されたりしてお互いに嫌な思いをしないように、威嚇をしている猫の気持ちを考えられるようになると良いですね。
関連:猫が毛づくろい(グルーミング)する理由は?【色々な事情があった!】