猫と暮らしている人であれば、猫の鳴き声にどんな意味があるのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
声色や仕草などである程度は感情が読み取れる場合もありますが、何を伝えたいのか正確に把握するのは難しいですよね。
猫が本当に伝えたい事を把握するためにも、猫の鳴く理由を知っておくことで、ある程度理解することが出来るはずです。
こちらでは、猫の鳴き声にはどんな意味があるのか、種類別の猫の感情を解説しますので是非参考にしてください。
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猫はなぜ鳴くの?猫が鳴く理由
猫が鳴く理由の1つとして、親しい相手へのおねだりが挙げられます。
ごはん時に鳴きながら飼い主について回るのは、ごはんをおねだりしているのでしょう。
その他にも、甘えたい場合や遊んでほしい場合など、相手に対して何かをしてほしい時にも鳴きます。
このように鳴くのは、猫が飼い主を親しい安心できる存在だと認識している証拠です。
また、敵に対して威嚇する時や、相手にどこかへ行ってほしい場合にも猫は鳴いて伝えます。
たとえば子育てをしていて、別の猫が近づいてきたときなどに鳴いて、「これ以上近づいたら攻撃するぞ」と威嚇しているのです。
このように、鳴く理由はそれぞれで鳴き方も異なっています。
体毛やしっぽ、瞳孔や耳の状態などを総合的に観察してみると、どちらの意味で鳴いているのかを知る事が出来ます。
猫が鳴いているときは発情期?
猫がよく鳴く時と言えば、発情期のときなどが挙げられます。
この場合、明らかに通常とは鳴き方が異なっており、特に求愛行動は春先と夏に多く見られます。
発情期の鳴き声は雄・雌ともにかなり音量が大きいため、夜中に大きい鳴き声で鳴かれて起こされたという経験がある方も多いでしょう。
このような鳴き方は避妊・去勢手術をしていない猫だけで、発情期の鳴き声の対策は非常に難しいです。
もし子をとる予定がないのであえば、避妊・去勢手術を行うことで回避できます。
雄猫が鳴くとき
雄猫は発情期になると、落ち着きがなくなり、しきりとマーキングを行うようになります。
さまざまな兆候がありますが、そのひとつが独特な鳴き声です。
発情した雌猫の鳴き声に反応していると考えられ、特徴としては人間の赤ちゃんが泣いているような声で、遠くまで響くように大きく鳴きます。
雌猫が鳴くとき
発情期の雌猫の場合も、鳴き方の変化は発情の兆候を示すもののひとつで、雄猫と同じように、人間の赤ん坊のような鳴き声をあげるのが特徴です。
雄猫よりも若干低い鳴き声で鳴く傾向があります。
子猫が鳴くのはどんな時?
子猫が鳴く理由で多いのは、おなかが空いているときです。
生後3ヵ月までは、野生でも母猫から食べ物をもらうのが一般的なので、お腹を空かせると鳴く傾向にあります。
そのほかにも、甘えたいとき、寂しいときや不安を感じているとき、寒いときなど、様々な理由でよく鳴きます。
大人猫のようにしぐさが伴わずただ鳴いている事が多いので、鳴いている理由を特定するのが、少し難しいかもしれません。
鳴き声の種類別の猫の気持ち
前述したように、猫の鳴き声は1種類だけではなく様々な種類があります。
どのような鳴き方をするのかに加え、どのような行動をしているのかも合わせて観察すれば、猫の気持ちを読み取ること出来ます。
いくつかの鳴き声を例に、猫の気持ちを解説していきます。
- 「ニャッ」と鳴く短い鳴き声
- 「ニャオ」「ニャオォ」という鳴き声
- 「ニャーーーン」という長い鳴き声
- 「ンー」と口を閉じて鳴く鳴き声
- 「シャーー」「フーッ」と強い鳴き声
- 「ケケケッ」「カカカッ」という鳴き声
- かすれた鳴き声のとき
- 鳴き声がおかしいとき
「ニャッ」と鳴く短い鳴き声
「ニャッ」鳴く短い鳴き声は、人間で言えば挨拶のような感覚です。
猫によっては名前を呼ばれたときや、優しくなでてもらった場合などに、反射的に短い声で「ニャッ」と鳴くこともあります。
基本的にはいずれも、好意的な場合の鳴き方と捉えて良いでしょう。
「ニャオ」「ニャオォ」という鳴き声
「ニャオ」「ニャオォ」という鳴き声は、おいしい食べ物をもらったときなど、喜んでいる時の鳴き方です。
また、甘えたい場合などに子猫がよく出す鳴き声も同じで、もし猫が「ニャオ」と甘えた感じで鳴いている場合は、かまってあげると喜びます。
子猫が母猫を呼ぶときにもこのような声で鳴くことがあり、基本的に信頼できる相手に向けた鳴き声と捉えて良いでしょう。
「ニャーーーン」という長い鳴き声
「ニャーーーン」と長い鳴き声は、何かを訴えている可能性のある鳴き方です。
たとえば食器のまわりでこのような鳴き方をしたときははご飯をおねだりしていたり、ドアや窓の近くで鳴いた場合には「開けてほしい」、トイレ付近なら「汚れている」と伝えたいのです。
なので、そのときどきのシチュエーションと合わせて、何を要求しているのか考えてあげると良いでしょう。
また、長さだけではなく、強い調子で鳴くこともあります。
その場合は触られたくないなどの不機嫌な気持ちになっている事が多いです。
「ンー」と口を閉じて鳴く鳴き声
「ンー」「ウー」と口を閉じて鳴き、低く唸るような鳴き声を出すときは、近寄らないでほしいときなどの威嚇を表しています。
このような声を出している猫にむやみに近寄ると、攻撃される可能性もあります。
基本的に、慣れているご家族に対してこのような鳴き声を出すことはありません。
しかし、猫同士のケンカのときや、見知らぬ人や不審なものに警戒している場合などには見かける事があるでしょう。
「シャーー」「フーッ」と強い鳴き声
「シャーー」「フー」と強い鳴き声は、敵意をむき出しにしているときの鳴き声です。
もしご家族に対してこのような鳴き方をしていたら、猫は自分の方が上の存在だと思っている可能性があります。
また、猫は縄張り意識が強い為、機嫌が悪いときに自分の縄張りに他者が入ってくると、このような鳴き方をします。
その場合は、猫が落ち着くまで近寄らないほうが良いでしょう。
「ケケケッ」「カカカッ」という鳴き声
「ケケケッ」「カカカッ」という鳴き声は、「クラッキング」と呼ばれる反応で、物を狙っているときなどにこのような鳴き方をします。
狩りをしない飼い猫でも、おもちゃを狙っているときや、窓の外に鳥がやってきたときなどに、このような鳴き声を見かけるでしょう。
かすれた鳴き声のとき
かすれたような鳴き声や、口は動いても声があまり聞こえない鳴き声は、甘えている証拠で、「サイレントニャー」などと言われる、子猫によく見られる鳴き方です。
飼い猫の場合、大人になった猫でもこのような鳴き方をして甘える場合があるでしょう。
鳴き声がおかしいとき
普段と鳴き声が違う、何か鳴き声がおかしい場合には、ストレスを感じていたり、病気が原因の可能性があります。
かすれた甘え声によく似ていますが、特徴として元気がない、暴れる、頻繁に身体を掻くなど、が見られることがあります。
もし気になる場合は、動物病院へ連れて行ったほうが良いでしょう。
最後に
猫の鳴き声にはどんな意味があるのか、種類別の猫の感情を解説しました。
猫は仕草だけでなく、鳴き声でも思いを伝えている事があります。
その時の猫の様子も含め、感情を読み取ってあげることが大切です。