世の中には実にさまざまなキャットフードが販売されており、色々な用途に合わせて作られています。
あまりにも種類がたくさんあるので、キャットフードを選ぶ際にどれを選んだらいいのか迷ってしまう人は多いでしょう。
キャットフードの中には、質が悪く猫の健康や成長にとって良いとは言えない「粗悪品」が存在します。
特に粗悪品は安いキャットフードに多いので注意が必要です。
大切な家族である愛猫ちゃんのためにも、健康面を考えた良質なキャットフードをあげたいですね。
ここで気を付けたいのが「良質なキャットフード」はテレビでやっているような有名なキャットフードや、高いキャットフードではないという事です。
もちろん、高いキャットフードには良質なものが多いですが、必ずしもすべて猫ちゃんにとって良いキャットフードかは分かりません。
CMで放送されているようなキャットフードこそ、良いキャットフードではないかもしれないのです。
今まで、上記のような基準でキャットフードを選んでいたという方は、ここで一度見直してみて下さい。
キャットフードを選ぶ際は「価格」や「知名度」に惑わされないように、キャットフードの粗悪品の見分け方を知っておきましょう。
関連:キャットフードの成分と栄養価の見方【何を基準にすれば良い?】
キャットフードの粗悪品の見分け方
数あるキャットフードの中で粗悪品を見分ける為には、どのような点に着目すべきでしょうか。
まずは良質なキャットフード選びでチェックしたい5つのポイントをご紹介し、順に解説していきたいと思います。
- 原材料を確認する
- 添加物に着目する
- 猫の便の状態を見る
- キャットフードを触ってみる
- 砕いてみる
原材料を確認する
まず一番最初に着目すべきポイントはキャットフードに記載されている「原材料」の部分です。
原材料にはキャットフードに使用されている食材が細かく記載されていますね。
なので、キャットフードを購入する前に、パッケージに書いてある原材料表を必ずチェックしましょう。
原材料の中でも特に気を付けたいのが「4Dミート」と呼ばれる肉類です。
4Dミートは死にかけの動物の肉や死んだ動物の肉、病気の動物の肉や障害のある動物の肉の事なので、肉類ではありますが決して安全とは言えません。
そのため、人間が口にする事はまずない食材となっています。
これを猫ちゃんが食べると思うと、、あまりにもリスクがあるのが分かりますね。
猫ちゃんの成長や健康に必須な「肉類」に分類されるわけですが、粗悪品には4Dミートが使用されている場合がとても多いです。
なので、キャットフードに記されている「肉類」の部分がしっかりと何肉なのか記載されているキャットフードだと安心です。
関連:キャットフードの成分と栄養価の見方【何を基準にすれば良い?】
添加物に着目する
キャットフードに入っている添加物の記載は義務ではないため、書いていない=入っていないというわけではありません。
むしろ、ほとんどのキャットフードには添加物が含まれているでしょう。
では、このように書いていない添加物を調べるためにはどうしたらいいのでしょうか。
方法は簡単で、まず水を用意しそこに少量のキャットフードを加えます。
あとはそのまま一晩おき、様子をみるだけです。
これによって分かるのは、もし色が水にじみ出てきていたら「着色料」が使われているという事、もし虫が寄ってこなければ「防虫剤」が使われているという事、もし何日置いても腐らない場合は「防腐剤」が使われているという事です。
添加物というのは薬ですので、皆さんもご存知の通りもちろん人間にとっても良いものではありません。
ですので、猫ちゃんにとっても添加物が多く含まれているキャットフードは良いものではないのです。
添加物が多少含まれている分にはしょうがないですが、あまりにも多く含まれているようなキャットフードは粗悪品だといえるでしょう。
猫の便の状態を見る
猫ちゃんがたくさんウンチをしていると「お通じがいいんだな」なんていう風に解釈しがちですが、実は便をたくさんする=健康ではないので注意が必要です。
むしろ、粗悪品のキャットフードを食べている猫ちゃんほど便をするといえます。
良いキャットフードを食べている猫ちゃんの場合は、便の回数が少ないのです。
これは何故かというと、質の良くないキャットフードには穀物が多く使用されているためです。
猫は肉食動物ですので本来肉を主食として食べており、穀物は必要ありません。
そのため穀物を上手く消化する機能を持っておらず、猫の健康にとって良いものではないのです。
ですが原価が安いので穀物を多く含んでいる安いキャットフードがたくさん販売されているのが現実です。
安くキャットフードが作れるのは穀物が多いからですので、安いキャットフードに粗悪品が多いのはこの為ですね。
目安としては、穀物の量が3割以下であれば安心できるといえるでしょう。
それ以上含まれている場合はほとんどが穀物という事になりますので、粗悪品だといえます。
特に猫ちゃんによっては、穀物の取りすぎでお腹を壊してしまうパターンもあるので、注意してあげましょう。
結論として、穀物が多く含まれている粗悪品=消化しずらく便の量が増えるので、猫がたくさんウンチをしているなと気が付いたらキャットフードを見直すようにしましょう。
キャットフードを触ってみる
実際にキャットフードを購入した際に調べる方法として、キャットフードを手で直接触るというものがあります。
これでもしキャットフードの表面がべたべたとしているようであれば、品質の悪い油が大量に使われている証拠です。
もし今キャットフードが手元にある場合は、是非チェックしてみて下さい。
砕いてみる
キャットフードをすりこぎなどで砕いて水に溶き、茶漉しとうで濾してみると、動物の骨や羽、くちばしなどが残る場合があります。
これらは粗悪な肉類に含まれているものですので、出てきた場合には即与えるのをやめましょう。
特に原料に「ミートミール」の記載がある場合は注意が必要ですね。
このように粗悪品のキャットフードの見分け方は、購入前に調べる方法と実際に購入してから調べる方法の2つがありました。
まずは購入前にしっかりと調べておき、購入後も念のため調べたり猫ちゃんの様子を見てあげるようにしましょう。
粗悪品のキャットフードを与え続ける危険性
キャットフードはなるべく安く済ませたい、という人は当然多いでしょう。
しかし、粗悪品のキャットフードを与え続けることは、私たちの想像以上に猫ちゃんの健康被害を起こす可能性が高いのです。
なので、猫ちゃんに長生きしてもらう為にも良質なキャットフードを買ってあげる事が望ましいです。
粗悪品のキャットフードを与え続ける危険性として以下が挙げられます。
- 栄養失調により痩せ細る
- 毛並みが悪くなり艶がなくなる
- 腎臓病等の病気のリスクが高くなる
- アレルギー体質になりやすい
- 口臭や便臭が強くなる
与え続けるほどこれらのリスクは高まります。
猫ちゃんは自分で食事を選ぶ事が出来ず、私たち飼い主が安全で健康的な食事を与えてあげるしかありません。
健やかに育ってもらう為にも、キャットフードにはお金をかけてあげてください。
キャットフードは国産=安全とも限らない
ここからは、多くの方が誤解しがちな「国産=安全」という解釈について掘り下げていきたいと思います。
日本は特に「国産」や「日本製」といった言葉に安心感を得ている人が多いです。
なので、キャットフードを選ぶ際も国産だから安全だと考える人が多いのでしょう。
しかし、大切なのは「良質なキャットフードを選ぶ事」で国産のキャットフードが安全だというわけではないという事です。
勘違いされている方が多いので、ここで明確にしておきたいと思います。
日本製か海外製かは関係ない?
実は世の中のキャットフードには「海外製」で安心安全が保障されている商品の方が多いです。
もちろん、日本製の商品の中にも高品質なものはたくさんあります。
なので、キャットフードを選ぶ際は日本製か海外製かはまったく関係ありません。
海外製のキャットフードは輸入する手間やコストがかかっているので、その分商品の価格も高くなります。
それでも、安心安全を求める飼い主さんの多くが海外製のキャットフードを選ぶのは、やはり栄養や健康の面でしょう。
ではなぜ、日本製よりも海外製のキャットフードの方が安心安全が保障されている商品が多いのでしょうか。
実は日本では平成21年に「ペットフード安全法」という法律が施行され、ペットフード基準というのが誕生しました。
しかし、それ以前は基準もなく、原材料や賞味期限、製造元の記載は義務ではなかったため、多くの粗悪品が世に出回ってしまったのです。
「日本製」という定義こそ曖昧になっており、実際にパッケージに記載されているのは「最終工程を行った国」ですから例え製造が海外でも最終加工を日本で行っていれば「日本製」の記載が出来てしまうわけですね。
なので、現代において日本製だから安全という考えは成り立たないのです。
日本製と海外製の基準の違い
日本製と海外製ではキャットフードの基準が違います。
どちらかというと海外製のキャットフードの方が厳しい基準になっているので、安全な商品が多いのはこの為です。
添加物の基準の違い
添加物は日本と海外で基準が違う為、海外では使用禁止となっている安全性の低い添加物も、日本では使用できてしまいます。
例えば酸化防止剤である「エトキシキン」は、人間の食材では許容残留量が1ppmと定められていますが、キャットフードの場合150ppmまで許されているのです。
さらにもっと危険な「BHA(ブチルヒドロキシアソニエール)」や「BHT(ブチルヒドロキシルトリエン)」なども、国産のキャットフードの使用されていることがあり、注意が必要です。
これらは発がん性が認められている危険な添加物です。
原材料の割合の違い
猫は肉食動物ですので、本来自然界で摂取できる動物の肉から、必要なたんぱく質を得ています。
ですが日本製のキャットフードの多くは、主原料が「穀物」となっており、とても必要なたんぱく質を得られるような食事にならないのです。
なので、いくら国産キャットフードでも、穀物が一番上に来ているような商品は粗悪品で間違いありません。
これに比べてヨーロッパなどでは、ペットを飼っている家庭がとても多いのでかなりペットフードの質にこだわっています。
穀物が未使用であったり肉が7割以上を占めているなど、猫の健康をしっかりと考えたキャットフードが多いのです。
なので、日本製のキャットフードよりも海外製のキャットフードの方が安心安全なものが多いと言われるのですね。
日本製にこだわりのある方は是非、海外製のキャットフードの安全性にも目を向けてみて下さい。
最後に
キャットフードの粗悪品の見分け方と、質の良いキャットフードとの違いについて解説しました。
まず大事なのは、購入前にしっかりと商品を調べておくことです。
そのためにも、キャットフードの成分と栄養価の見方を知っておく必要がありますね。
猫ちゃんに健康的に長生きしてもらう為にも、キャットフード選びには慎重になってください。