猫の避妊・去勢手術の時期や料金はどれくらい?【手術の流れや方法も解説します】

猫の避妊・去勢手術をしようと思っても、手術の料金がどれくらいかかるのか、いつ手術すべきか、どのように手術が進んでいくのかなど、たくさんの不安があるでしょう。

猫の避妊・去勢手術はなぜ必要?の記事でも解説したように、将来的に子猫を産ませる予定がないメス猫は、避妊手術をするデメリットがほとんどありません。

 

猫にとって手術をする事は負担になるのではないかという人もいますが、最適なタイミングで手術を行ってあげる事で負担を最小限にすることが出来ます。

また、避妊・去勢手術を行えば、発情期独特の問題行動を起こす事もなくなりますし、なによりも病気のリスクが軽減するので、メリットの方が多いです。

 

 

こちらの記事では、猫の避妊・去勢手術について、最適な時期や料金はどれくらいか、また、手術の流れや方法を解説します。

これから猫を飼う方も、猫を飼っている方で避妊・去勢手術を考えている方も、是非参考にしてください。

 

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猫の避妊・去勢手術に適した時期

将来子猫を産む予定のないメス猫や、産ませる予定がないオス猫は、避妊や去勢手術をするデメリットはほぼないと言えますのでした方が良いでしょう。

では、猫の避妊・去勢手術をする時期はいつがいいのでしょうか。

 

メス猫の避妊手術をする時期についてはさまざまな意見がありますが、一般的には初めての発情を迎える前に手術を済ませたほうが良いと言われています。

初めての発情を迎える時期というのはだいたい生後6~8カ月あたりになるので、それまでに手術を受けるのが理想です。

 

なお、オス猫の去勢手術は、生後6か月~10カ月あたりが理想です。

一度発情期になり、スプレー行動(おしっこによるマーキング)を覚えてしまった猫が去勢後になおる可能性は50パーセントしかありません。

薬の内服によってマーキング行動をやめさせることはできますが、そもそもマーキングをする前に去勢してしまえば内服薬を飲ませる必要がなくなりますね。

 

逆に手術の時期が早すぎると、ペニスのサイズが去勢時のままになり、それ以上大きくはならないと考えられています。

小さなペニスのままになると、尿道に結石がつまりやすくなり尿結石の危険度が増加する可能性もあるので適切なタイミングで手術をする事が大切です。

成長を終え、適切なタイミングになるまで待てば、肥満や尿結石の危険性をいくらかでも回避できるでしょう。

 

避妊手術も去勢手術も全身麻酔をかけて行う手術になるので、まずはかかりつけの動物病院に行き日程や体調管理について話合いましょう。

 

猫の避妊・去勢手術の流れ

猫が避妊・去勢手術を行う場合の流れは以下のようになります。

安心できる動物病院を探し相談しに行ってくださいね。

 

  1. 予約を取る
    手術を希望する日の約1週間前には予約を済ませておきましょう。
  2. 手術の前日
    手術では全身麻酔を使用するため、前日の夕方から餌を与えてはいけませんが、水は飲ませてもOKです。
    このように絶食を行うのは、麻酔をかけている間に胃の中にある食べ物が肺に入ってしまうのを予防するためです。
  3. 手術の直前
    手術が行われる前に、排便や排尿を済ませておきましょう。
    大概の場合、手術は午前中に行われるので遅刻しないように気を付けて下さい。
    予約時間を過ぎてしまう事がないように、猫をキャリーケース等に入れるのは家を出る直前ではなく、それよりも早めの時間に入れておきましょう。
    また、メス猫の避妊手術は開腹手術になるので、最低でも1~2日の入院するという事を頭に入れておいてください。
  4. 手術の後
    手術後7~10日後に動物病院に連れていき、抜糸をしてもらいます。
    抜糸した後は、1週間はシャワーを浴びれないので注意しましょう。

避妊・去勢手術の料金や期間

手術自体は短時間で終わりますが、メス猫の避妊手術の場合はお腹を切開するので最低でも1~2日は入院すると考えておきましょう。

また、麻酔や準備などを含め、当日は合計で1時間はかかります。

傷が完全に治るまでは7~14日間くらいかかります。

 

 

避妊・去勢手術における費用について、絶対にかかってくる料金は「麻酔料金」と「施術料金」です。

麻酔料金は大体5000~12500円ほど、施術料金はだいたい15,000~30,000円ほどが平均的です。

なので、最低でも避妊手術自体には20000円以上はかかると思っておきましょう。

 

なお、動物病院によって、避妊手術に含まれる内容も料金も大きく変わってきます。

例えばある病院では手術代に事前検査も含まれていたり、またある病院では含まれていない場合もあります。

「避妊手術の料金」にどこからどこまで含まれているのかは、病院に必ず確認しておきましょう。

 

避妊手術や去勢手術前にかかる料金

避妊手術や去勢手術前にかかる料金や含まれる可能性のある料金は以下です。

  1. 診察料
  2. 術前検査
  3. エリザベスカラー
  4. 鎮痛薬・抗生剤
  5. 入院費用
  6. 抜糸費用

 

診察料

初診の場合は1000~2000円ほど、最新の場合は500円~1000円ほどが一般的です。

術前検査

手術をする前には必ず、猫の健康状態を術前検査しておきます。

全身麻酔をかけた際に生命に及ぶような欠陥がないかどうか調べる事は、とても重要な事です。

 

検査の内容は具体的に、X線検査や血液検査等が行われます。

8歳以上の老猫の場合は、腎不全や肝不全を見つけることが出来るので、必須です。

 

もちろん、無料で行ってもらえるわけではないので、手術費用に含まれるか別途料金がかかるでしょう。

 

エリザベスカラー

術後に傷口を舐めてしまうのを防ぐために、エリザベスカラーを装着するのがおすすめです。

料金は1000~2000円程度と安いです。

鎮痛薬・抗生剤

手術中や手術後には、鎮痛薬が投与される場合もあります。

帰宅後も痛みが治まらずに痛そうにしている場合は、早めに動物病院に受診し、鎮痛剤をもらいましょう。

また、傷口から感染症に発症するリスクもあるので、抗生剤を処方されることがあるでしょう。

入院費用

メス猫の場合はもちろん、オス猫の去勢手術後も、不測の事態に備えて動物病院に入院させてあげると安心です。

なお、入院費用は一般的に1泊で2000~5000円くらいでしょう。

抜糸費用

傷口を方々するので抜糸をしなければなりません。

抜糸をする際は動物病院に行かなければならないので「抜糸費用」がかかる事があります。

動物病院によっては、無料で行ってくれることもあるでしょう。

 

 

避妊・去勢手術のリスクや注意点

避妊・去勢手術をすると決めたのであれば、手術自体のリスクや注意点についても知識を持っておかなければなりません。

メスとオスでは手術の内容がことなりますので、それぞれのリスクなどについて解説します。

 

避妊手術のリスクや注意点

猫の避妊手術は比較的「安全」な手術だと言われいますが、それでもリスクはあります。

全員麻酔をしお腹を切開しているわけですから、絶対に安全だとは言い切れないのです。

 

なので、特に手術後24時間は注意してみてあげる必要があります。術後に起こりやすい変化や副作用等について解説します。

 

  1. 痛み
  2. 傷口の離開・ヘルニア
  3. 傷口の感染・化膿

 

痛み

腹部を1~3㎝も切開するわけですから、当然猫にとって痛いものとなります。

なので、避妊手術を終えたメス猫は、その場にうずくまったり目を細めて部屋の隅でじっとしているなど、痛みの兆候が見られるはずです。

また、呼んでも出てこなかったり食欲がないなど、いつもとは違う様子が見られるので飼い主さんは心配になってしまうでしょう。

 

しかし、このような痛みは3日ほどで和らぐと言われています。

もし3日以上経っても痛みの兆候が見られる場合は、動物病院に連れていき傷口等を見てもらうようにしましょう。

獣医さんの判断によっては、鎮痛剤が投与される事もありますが、自己判断で鎮痛剤を飲ませる事は危険ですので絶対にやめてください。

傷口の離開・ヘルニア

手術した後は傷口に炎症が起きやすくなります。

避妊手術後は赤くなったり、腫れたり、熱をもっている様子が見られますが、これらは自然な現象なので問題ありません。

 

ただし、明らかに傷口が離開していたり、腹部の臓器が傷口から飛び出しているような場合(ヘルニア)はすぐに動物病院に連れていきましょう。

皮下脂肪や内臓脂肪が飛び出しているのであれば問題はないですが、臓器となると命に関わるリスクがあります。

なので、早急に修復手術を受ける必要があるでしょう。

傷口の感染・化膿

腹部の傷口に病原体が入り込んで感染症を巻き起こす可能性が高くなっています。

感染症が怒っている場合は傷口が化膿して黄色や緑色になっているので、その場合はすぐに動物病院にいきましょう。

急いで排膿してもらい、必要であれば抗生物質を投与してもらう事になります。

 

このように感染症を防ぐためにはやはり、エリザベスカラーをつけるべきでしょう。

 

去勢手術のリスクや注意点

メス猫の避妊手術のように腹部を切開するわけではありませんし、傷口も避妊手術に比べてちいさいですが、それでもリスクはあります。

手術後は猫の様子を良く観察してあげてくださいね。

 

  1. 痛み
  2. 傷口の炎症・出血
  3. 傷口の感染・化膿

 

痛み

小さいとはいえメスを使って切除を行うわけですから、術後は痛みが発生します。

特にデリケートな部分を手術するので、歩き方がおかしくなったり、変な座り方をしたり、座らないなどの痛みの兆候がみられるでしょう。

また、部屋の隅にいたりご飯を食べないなどは、避妊手術の場合と同じです。

 

このような症状は基本的に3日でなおりますが、もし3日以上経ってもまだ痛そうにしている様子がある場合は、動物病院に受診しましょう。

傷口の炎症・出血

去勢手術を行った後は、切り込みに炎症が起きたり出血をする可能性があります。

特に体の大きいオス猫の場合、腫れが出やすく、赤くなったり熱を持つでしょう。

 

また、精巣が膨らんでいる場合は出血した血が溜まっていますが、この場合は自然に吸収されるので心配不要です。

ただし、まだ傷口が完治していない時に激しい運動をしてしまうと、傷口が開いたり出血する事があるので、ケージに入れるなどして行動範囲を狭めておくと良いでしょう。

 

傷口の感染・化膿

メス猫の避妊手術と同様に、オス猫の去勢手術後は傷口にウイルスが入るリスクが高くなっています。

傷口に菌が入ってそれが悪化すると、ぐちゅぐちゅとした黄色や緑の化膿が見られるので、動物病院で排膿してもらいましょう。

 

また、排便時に傷口に菌が付着してしまう事もあるので、もしトイレの後にしっぽなどが汚れていたら拭いてあげて下さい。

 

最後に

猫の避妊・去勢手術の時期や料金はどれくらい?について、手術の流れや方法を解説しました。

動物病院によっては多少違う部分もあるかもしれませんが、基本的には流れも料金も一緒です。

 

猫の去勢や避妊手術を考えている方は是非、この記事を参考にして予定を組んでくださいね。

なお、猫の避妊・去勢手術の必要性に関してまだイマイチ分からないかたは、下記の関連記事も合せて読んでみて下さい。

 

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